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なんとなくを無くしていく。 [クリエイティブ]

私は将棋を指しませんが、プロの将棋指しは、1手から詰みまですべての手をきちんと覚えていて、終わった勝負を最初からすべて再現できるそうです。それは、相手にも自分にもなぜそこに駒を打ったかの明快な理由があるからです。1手として「何となく」はなく、また彼らは何手も先を予想しながら将棋を指してるので、今現実に行われてる勝負と、棋士の頭の中の勝負には時間差があるようです。

クリエイティブの作業って、けっこう「感性」ってイメージがあって、才能あふれた人が「何となく」置いたモチーフや、色が、すべて素晴らしい結果を生んでるように思ってる人もいらっしゃると思います。しかし実は、そこにどの色を置く、どんな大きさの文字を置く、写真のトリミングをどうする、などを決めるのにそれぞれきちんと制作者としての理由があります。

アマチュアや初心者は「何となく」がどうしても多くなる。しかしそれによって生まれる結果や、評価を蓄積として引き出しを作っていき、「常に」優れた作品を生み出していくような状態に持っていくのがプロとして必要な条件になります。またそのためにはひとつの答えではなく、常に自分の中で想定される答え以上の答えも用意しながらトライアンドエラーをする必要があるでしょう。(より良い一手を常に模索する)

若いデザイナーにディレクターが「なぜここにこれをもって来たの?」「なぜこの色にしたの?」と聞く状況があると思いますが、自分がきちんと理由を持って作業をしてくれば、必ず答えられるはずです。またプロの将棋さしのようにどの段階にも戻れるようになるはずです。

さらに、これはプレゼンテーションの時に非常に重要な要素となります。クライアントに聞かれた質問に、「なんとなく」では絶対に通りませんものね。

seajapan.jpg
2002 SEA JAPAN POSTER 船舶関連の展示会用ポスター

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