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美しかった「マーサ・スチュワート Living」 [エディトリアル]

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過去形です。
皆さんもご存知のようにカリスマ主婦「マーサ・スチュワート」が株のインサイダー取引で2003年に有罪となってしまいました。素敵な料理、素敵な庭、素敵なインテリアをクリエイトし、紹介して来たあまりにも有名な彼女と、株のインサイダー取引という黒々としたイメージには、相容れないものがあり、強烈なインパクトがありました。

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彼女のことはさておき、以前の「マーサ・スチュワート Living」は、もちろん保守的だけれどとてもオリジナルな生活提案の内容も素晴らしかったけれど、それ以上に非常に美しい写真とレイアウトで独特の世界観を作っていました。

「マリー・クレール」や、「ヴォーグ」「ELLE」なども衣食住系の雑誌を持っていて、それなりに素晴らしいものがありましたが、このマーサのLivingのアートディレクションに於ける独創性と美しさは、一頭地を抜いていました。日本でも一世を風靡した「ピントの浅い明るめの料理写真」もいち早く取り入れていました。

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この雑誌の成功はもちろん彼女の実力もあったでしょう。しかし、これだけの素晴らしいアートディレクション、写真、デザインのスタッフの力が無ければ、他の生活雑誌とは一線を画した、非常に評価の高い素晴らしい成功作にはならなかったと思います。いいものを作ることがきちんと評価されて実利にも結びつく。いい意味でアメリカ的です。(足のすくわれ方もアメリカ的?)

今のLivingは、一時の孤高な感じは見られず、ずいぶん普通になってしまいました。表紙にも影響が見て取れますね(下の画像)。とても残念です。

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sample pictures from "31stpublication design annual" and "Wikipedia"
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