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入稿と校正3(CMYK変換とインキの総使用量) [作業]

新聞や雑誌は輪転機を使う関係で、インクの総使用量が決められています。これって結構プロでも知らない人が多いから、知らないデザイナーにこのことを話したらちょっと鼻が高いかも。
thablueさんより質問があった件を含めて簡単に分りやすく(努力します)。

単純にCMYK4色全部べったり使っちゃうと100+100+100+100%で、400%ですよね。
通常変換ですと、まあ400%は滅多に出なくても380%とかは部分的に行っちゃったりします。

輪転機は高速で回るのでインク使いすぎるとべたべたになっちゃって、ドラムからの離れが悪くなったり、別の色のドラムが前に刷った色を持ってったりして、うまく行かないので、業界的に数字が決められています。
新聞は240%、雑誌は350%です。(新聞の方が紙が悪くて速度が速いです)

「エーそんなこと言ったって、変換時どうなっちゃうかは神のみぞ知るでしょう・・」と思いますよね。でもPhotoshopで簡単に設定できます。

変換.jpg

上のバーの編集からプロファイルの変換を選択して変換後のカラースペースをカスタムCMYKにすると図のようなウインドゥが出てくるので、総使用量の制限のところに数字を入れればオッケイです。これで自動で総使用量を制限しながら変換できちゃいます。GCR、UCRは下の説明を参考に。
次の図は標準新聞入稿時の指定です。

新聞UCR.jpg

さて、ちょうど上の画像のウインドウの中に変換オプションのマッチング方法が出てますよね。(緑の枠)今は知覚的と出ています。他にも詳しいサイトがあるので突っ込みたい人はそちらを見ていただくとして、これに関しては知覚的か相対的を選んどけば間違いないです。
ちなみに私は「知覚的」で、長年の経験から一番自然に変換できる気がします。(これも下でちょっと説明があります)

こんな感じでいいでしょうか?最後に私のカラー設定のウインドを載せてみます(あくまで参考に)。RGBのプロファイルはマッチングツールで測定した値になっていて、CMYKのJapan Coated 2001は、雑誌や印刷所の標準指定プロファイルです。

カラー設定.jpg

このところの面倒くさい話におつき合いくださった方、感謝です。

資料
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/colormanagement/easy_colormanagement/2-05.html
 「相対的な色域を維持」のメリットは、「レッド」の「200」以下のカラーは、カラー値が極めて正確に維持されることです。ダイナミックレンジの圧縮や白色点のシフトで同じLab値にはなりませんが、「知覚的」に比較して極めてカラー値の変動は少なくなります。
 たとえば、グリーンのグラデーションをRGBで作成してCMYKら変換してみるとよくわかります。「知覚的」で変換するとCMYKもなめらかなグラデー ションでカーブを描きます。しかし、「相対的な色域を維持」では変換したときは濃度の高い部分は、ベタ部分が多くなります。

→相対的は左脳系、知覚的は右脳系ですね。データ自体は左脳系ですが、この場合私は感覚的な右脳を取りました。
(birdland)

UCRとGCR
http://www.prp.co.jp/insatu/jiten.html
 プロセスカラー印刷で、CMYにKを合わせて印刷すると、その部分にインキがのりすぎるため、そのまま印刷することはできません。そこで各色の調整をするのが、UCR(Under Color Removal/下色除去)とGCR(Gray Component Replacement/グレー置換)という処理です。UCRはブラックののっている箇所のCMYを除去し、GCRはCMYでグレーを表している箇所をブラックの濃淡に置き換えます。Photoshopで、RGBカラーモデルからCMYKカラーモデルに変換する時に、UCRとGCRの値を指定できます。

→全体に影響する訳ではないので、かなり微妙ですが、UCRの方がアンダー部に特化してる分、若干見た目の変化が少ないかな。モノクロ写真的なものを変換する場合は差が出そうですね。(birdland)

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