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ページ物の場合の左右の余裕について [ベーシック]

今月も年末に続いて年始より少し忙しくしてます。あまり更新が出来ませんがお許しください。
今日の話は結構基本線なので、「そんなのもう知ってるから」という方はスルーしちゃってください。

ページ物、例えば、雑誌や本の場合「綴じ」というのがあるので、左右にどうしても使えない部分が出てきます。クルマでいう死角のようなものですね。
「どのくらい取ったら万全か」って悩むと思います。

mag1.jpg

まず多くの雑誌が採用している「中綴じ」。いわゆるホッチキス2点止めですね。これはホッチキスで留めてから最後に閉じた状態で断つので、どうしても写真のように真ん中に行くに従ってページが短くなっちゃいます。
写真の女性誌、だいたい200ページ強で7ミリ程度差が出ています。ヤンマガのような青年誌などは10ミリを超えると思います。
つまり左右余白を15ミリとっても、実際には5ミリ程度しかないということになり、かなりつらいですよね。

次は無線綴じです。本の形式はだいたいこれですが、今度は「のど」(ページの綴じに近い部分)に、死角が出来ます。見る人はベターっと接着剤がはがれちゃうほど開いてくれませんから、ある程度余白を見ないといけません。

さて、ではどのくらいを見るかですが、雑誌原稿など、どこに入るのかが分らない場合には通常端から12ミリから15ミリには要素を入れないようにと考えます。厚い中綴じの場合には、10ミリをデッドゾーンと見て(無いものと考え)そこから左右の適正余白をとったりもします。(合計約15〜20ミリ)

yohaku.jpg
平綴じの場合にはどちらがのどに来るかは分っていますので、のど部分にあえて大きく余白をとるようなレイアウト(外側に寄せるレイアウト。デザイン上のホワイトスペースと、デッドゾーンを兼ねるやり方)をするか、やはり10ミリ以上をデッドゾーンととらえて、そこから適正余白を取るかですね。

下の写真は私のとても尊敬してる杉浦康平さんの手がけた本ですが、わざと余白をとるデザインではないのに24ミリ以上開いてました。これだと、とても自然で余裕のあるレイアウトに見えますね。絶妙です。

bsugiura.jpg

雑誌、本にしても、左右天地のディメンションがA4やB5などに比べて天地が短く左右が若干長い物が多いのはこの左右のデッドゾーンのことが影響してるはずです。
※数字等は個人的な経験値によるもので、人によって考え方ややり方には差があります。



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