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アミ点 [印刷方法]

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世間は大変なことになってますので地味な話題で。

写真という連続階調の原稿を印刷と言う「はんこ」で表現するために「アミ点(網スクリーン)」は発明されました。色々な方が研究していたようですが、最終的には1888年レヴィ兄弟の交差線スクリーンが普及の元になったようです。
出典:
http://www.printing-museum.org/communication/column/pdf/column_10.pdf#search='印刷%20アミ点%20発明者'

今の印刷物で写真と言えばアミ点を使った物ですが、ものすごく近くで見ない限りほとんどの人が不満を言わないレベルにまで達していると言っていいと思います。素晴らしい発明です。
皆さんもご存知のように明るいところは小さい、暗いところは大きい点(四角)で表現される訳で、通常カラー写真だと約2.5センチの間に175本線のある網(×4色分)を通した光の大小で(ネガなので逆です)決まります。
ついでにいうとCMYK各4色はモアレ防止のために、マゼンタ:45度/シアン:75度/ブラック:15度/イエロー:60度という角度をつけます。

先ほど175本と言いましたが、これが「線数」といわれるもので、通常新聞モノクロで55〜80線、新聞カラーで80〜100線、雑誌、ポスター、カタログで150〜175線です。線数は紙や印刷方法で、より良い条件が揃うほど細かくすることが出来ます。
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※同じ大きさで比べた、左が新聞100線、右が通常印刷物の175線

ここで言いたかったのは、普通皆さんは何も言わずに印刷屋さんに出すと思いますが、線数は指定できます。
通常だと200線までは問題なくやってくれると思います。染み込みが多めの紙は線数の多い印刷は向かないので注意ですが、平滑でなるべくキメの細かい紙に刷る場合には線数の多い方が、滑らかな表現が出来ます。
そのために「FMスクリーン」のような400線相当の細かい写真表現の出来る技術もあります。(これは少し高価になります)

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http://at1.tactnet.co.jp/kaiseido/cgi-bin/attodetl.cgi?pn=fms-1

ちなみに昔は写真と言えばグラビア印刷(凹版)でしたが、今「グラビア」(グラドルなんかで使います)というのはその頃の名残でほとんどの雑誌、写真集はオフセットで印刷してます。

ただ、線数が多ければいいのかと言うとそうではありません。新聞などで線数を選ぶ場合に、細かくすると滑らかだけど少しぼけた感じ、荒くするとシャープに力強くなると言われています。その昔、新聞モノクロの原稿などは写真の部分で線数を変えて使い分けたりもしました。また、校正を出す時にアミ点の線数を何パターンか出してみて、一番表現にあった物を選んだりしていました。

ロイ・リキテンシュタインなどは昔の質の悪い紙に刷っていた荒いアミ点のアメコミを、アートにしてましたよね。けっこう荒いアミ点って使い方で面白い表現が出来るものです。
チャンスがある方は、ぜひアミ点を理解していろいろトライしてみてください。

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