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アルマーニのカメラマンと(つづき) [写真]

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スタッフはカメラマンのやりなれているヘアメーク(この時は一人でやったような記憶が)、スタイリスト、スタイリストアシスタント、そしてオーディションで選んだモデル(男2名、女1名)。
モデルの男二人は当時の例えばブルースウェバーやハーブリッツのような筋肉の美しい若者。女性は肌の抜けるように白いアイスランド人だったと記憶してます。

ロケバスに乗って、ローマからトスカーナに北上するルートでカメラマンの記憶している今回の設定(男二人と女一人の小旅行)にあったロケ場所を点々とまわります。ローマ市内からアッピア街道だったり、うなぎ町という名の湖畔の小さな街だったり、オルベテッロの近くの海辺の小さな街だったり、トスカーナの雄大な草原だったり。

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ロケ場所に着いて例によって淡々とファインダーをのぞきながら場所を決め、へアメークとコスチュームを確認後なにげに撮り始める。外人のカメラマンと言うと大げさにポーズを自分でとって指示したり、大きな声でモデルを褒めたりという印象が強いですが、どっちかと言うとアメリカ系?ヨーロッパの人、特にイタリア人でそんな人あまりいなかった記憶があります。

さて、その仕上がりは帰らなくてはならない日の早朝、ホテルに届けられました。すべてがプリントされてイルフォードの10×12か11×14の箱がしまらないくらい、つまり60〜枚くらいでしょうか。

当時日本のカメラマンで反射原稿で納品していた人は本当にほんのちょっとでした。その後反射原稿ブームがあるのですが、まだまだ日本ではあまり見かけない入稿方法。つまり、あのアシスタントがポケットから出して渡していたのはネガフィルムだったんですね。
向こうでは分業が進んでますから多分セレクトして焼きを指示し、専門家が夜中ずっとプリントしてたんだと思います。

そのプリントを見た時の驚きは未だに鮮明に覚えてます。あまりの素晴らしさにまだ暗いうちに叩き起こされた眠気も忘れて見入ってしまいました。

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やはりアルマーニが指名するだけのスゴいカメラマンだということを再認識すると共に、弘法筆を選ばずでは無いけど、機材も撮り方も先達がやってるからこうしなくてはいけないんじゃないかではなく、最終アウトプットを良くすることのみを考え、自分のスタイルでやっていけばいい。最終アウトプットが良ければいい物はいいと誰でも認めてくれるはずです。
もちろんいい機材を使ったり、大げさに撮影をしたりすることも、形を重要視する日本では効果があるのかもしれません。ユニクロの会長の項でも書きましたが日本と海外の違いって言われる理由は、こんなところにも根があるのかもしれませんね。

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