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テクニカルイラストレーション(大内 誠の世界) [アート]

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テクニカルイラストと言う分野があります。機械の構造をわかりやすく説明するためのイラストというのがオリジナルです。

自動車や船、飛行機などはフォルムと共に中の機構を細かく描写する「透視図」というのでおなじみだと思います。最終的には製品の機械的優秀性をアピールする物なんですが、それだけにとどまらない芸術的要素、また機械好きにはたまらない嗜好的要素にあふれています。

昔は、男の子と言えばみんなメカが大好きでした。時計を分解することから始まって、自転車、そしてクルマへと。それは日本の高度成長と無縁ではなかったはずですが、世界的にメカ好きはたくさんいて、あの現ダライ・ラマでさえ、子供の時は時計の分解組み立てが大好きだったとおっしゃっています。

当然、クルマなどの機械を作っている会社は、自分たちの製品の優秀性をビジュアルイメージでアピールするためにこぞって透視図をはじめとしたテクニカルイラストをカタログ等に採用しました。最初は稚拙な物だったと思いますが、イラスト自体のテクニックも機械の優秀性と同じように飛躍的に向上していきました。
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日本では猪本義弘さんや、ここで紹介する大内誠さんなんかが日本だけでなく世界的にも有名です。

大内さんの作業工程を見ていると、角度を決め、立体を描くための三点透視図法のガイドラインを作り、それにあわせて全体のフォルムを決定し、それから各部分を透視する部分、しない部分に分けながら下絵を起こします。最後に光や影を巧みに使って立体的に、リアルに見えるように彩色していきます。
その行程は気の遠くなるほど緻密な作業の繰り返しで、絵の才能だけでなくコツコツとした作業をこなしていく性格的な要素も要求される、本当に一部の人だけがなし得るフィールドだと思います。

いくつか作品を掲載しますのでお楽しみください。
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最近はクルマのボンネットを開けてもエンジンが見えないようなクルマが増え、メカに興味の無い男の子が増えているように思います。でもこの素敵なテクニカルイラストを一部のメカ好きに独占させておくのはもったいない気がします。

この作品たちを見ていると緻密な物ほど無限に広がる宇宙を感じてしまうのは私だけでしょうか。
私は好きなクルマの透視図を、自分の家に額に入れて飾っています。

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大内さんのホームページにて他の作品も見れます。ぜひ訪れてみてください。
http://home.g00.itscom.net/creasso/ 
※ⓒMakoto Ouchi 不許複製を禁じます。

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