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USTREAMチャンネルとスタジオのロゴ作成1 [クリエイティブ]

知り合いの映像会社で、USTREAMの配信をしています。
その名称としての「coco de sica TV」のロゴマークを依頼されました。デザインを制作した過程を簡単に書いてみます。

私たちの仕事は事前情報も多く、仕事の経過など守秘義務に触れることがありますので、中々簡単に公表できないことが多いのですが、これは許可をいただきました。

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最初にいろいろな方向性を摸索し提案しましたが、まったく新しいものを作るというより、今までの過程を大事に、従来よりあるcoco de sicaというロゴタイプはそのまま使用し、この会社のアイデンティティーである赤い正方形も有効に残そうということにしました。

赤い正方形はいわばマーク、アイコン的になりますので、何をそこでコミュニケーションするか、いろいろ試してみました。小さくなる可能性も高いので、複雑で見にくいものは没ですね。結果的にはこれからたくさんの人に見てもらうということを考えて、「親近感」=少しキャラ的な方向に振っていこうと決めました。

オーナーが犬好きなので、犬も試してみました。でもどこかのお父さんのようになっちゃうので、最終的には「テレビ」から逃げずに、テレビをキャラにしました。ただし教育、ビジネス方面など固いものもやるので、あまりカワイイ方面に行き過ぎないようにしました。

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またマークだけの露出でも、何となく「coco de sica」を感じれるように、ロゴタイプの一部をマーク内に挿入しました。

基本的にはエンターテイメント性をある程度出すように、こちらで作れるTVの文字を少しカジュアルにしたり(TVというのをわかりやすく立たせる意味もあります)して、全体ではUSTREAMチャンネルのロゴの設置位置を意識して横長を基本形としました。
また、音楽などのエンタメ、ビジネス講座、教育関連とジャンルに対して色で分けるようにしました。

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ここのスタジオのロゴもやりました。次回に書きます。

色々なコンテンツを今後やっていくようです。興味のある方は是非「coco de sica TV」チェックください。ページデザインはコミュニケーションデザインディレクター石橋宗親くんの作品です。クールでいい感じ、使い勝手もグッドです。
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http://www.coco-de-sica.tv/

モダン・アート,アメリカン [アート]

ちょっと遅くなりましたが、国立新美術館で開催の「モダン・アート,アメリカン」に行って参りました。
現在やってる美術展では“横綱級”、国立西洋の「ゴヤ展」に比べるとちょっと地味ですが、有名なアメリカの美術コレクター、ダンカン・フィリップスの所蔵品より、アメリカの代表的な作家の作品だけを選りすぐって見れるという、ちょいマニアックな企画展です。
それでも好きな人なら聞いたことのある、ジョージア・オキーフやエドワード・ホッパー、ステュワート・デイビス、マックス・ウェーバーなどの作品も入っていて、また、印象派から抽象まで幅広く見れるところもよかったです。

私もここいらへんあまり詳しくない分野なので詳しくはサイトでチェックください。
http://american2011.jp/highlight.html

僕的に気に入った作品をいくつか。
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ロックウエル・ケント:ロードローラー/若い男の埋葬
この人、今回の発見です。光と影の使い方が素晴らしい。すごく絵がうまい。

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ジョージア・オキーフ:ランチョス教会No.2 ニューメキシコ
ザ・アメリカン・アートですね。

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ウォルト・クーン:羽飾り

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エドワード・ホッパー:都会に近づく

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スチュワート・デイビス:青いカフェ
イラストレーターや女性が好きそうなカワイイ絵です。

12月12日(月)までやってます。この美術館は新しく広いので絵が見やすいのがいいですね。

中国のデザイン事情 [ムーブメント]

先週末に久しぶりに開催されたSTRAMDの講座で、昨年のお話を聞いて以来、
http://birdland-ad.blog.so-net.ne.jp/2010-11-08
その人物、お仕事、また伝統工芸への造旨の深さからすっかりファンになりましたPAOS上海の王超鷹(Wang Chaoying)さんが。今回は前回の内容も含め、現在中国の一人っ子政策とデザインの現状についてお話をされました。これはレポートではなく、私のフィルターを通しての感想ですので、ご了承ください。

まずは前回もお話しされた、フランスの高級ブランデーメーカーの話です。バー・アルマニャックという超高級ブランデーを中国で売ろうとしたが中々うまく行かず、メーカーは王さんに、本来AOCのラベルを変更してはいけないところをデザインを変えてもいいという妥協案まで持ち出して、なんとかして欲しいという依頼をされた話です。
王さんたちは高いお酒を買う中国人のターゲットを徹底的にリサーチされ、欧米ではシンプルでありながら質の良さが伝わるデザインも、中国では理解されないことに注目。ここには高い酒は人に贈ると言う中国人の習慣要素が強いこともあるようです。

そこで王さんたちはラベルデザインをまったく変えることなく、中国のターゲットに刺さるデザインを思いつきました。それが下記の写真です。ボトルにぴったりはまる24金の非常に繊細な透かし彫りのケースを作り、見た目を「中国人にわかりやすい高級感」で飾りました。
また、高級なもの、売れるものは模倣をされるという中国の現状を鑑みて、トレーサビリティー可能なデータチップをこのケースの底面に埋め込み、一度開封するとデータが消滅するようにしました。

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これは非常に成功されたようで、非常に評価も高く、その後たくさんのオファーが来たようです。ここでやはり素晴らしいと思ったのは、オリジナルのラベルを変えること無く最大の効果を発揮させる方法論をとられたことです。簡単なようで中々出来ることではありませんよね。さらに言えばデザインだけでなく、ブランド力を環境に合わせてさらに高めた技術をも付加した点です。

一人っ子政策のことに関しては、とても長くなるので割愛しますが、どこでも同じ一人っ子と言うのは非常にわがままに育ってしまうので、すぐに来る高齢化社会と同様、中国でも色々な弊害があるようです。王さんたちは、企画された「おもちゃランド」などを通してモノの大切さや環境問題などを教育していこうとされています。

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http://www.kubeiland.com/


僕らグラフィックデザインをする人間にとって非常に興味深かったのは、中国のロゴマークには圧倒的に「赤」が多いと言うこと。彼らは「赤」が、とてもおめでたい色という意識があるようです。日本はすぐに共産主義に結びつけてしまいますが、以前聞いた話でロシア人もやはり赤が好きなんですが、その理由は「美しいから」なんだそうです。
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また、同じようにレインボーカラーも大変人気のあるカラーリングのようで、どうしてもターゲット戦略としては使用せざるおえない場合が多いようです。
武蔵美の大学院で学ばれ、ヨーロッパ各地で中国伝統工芸の個展もされている王さんとしては、やはりもっとデザイン的に優れている形や色も使いたいところ。そこは日々悩まれてるようですが、私たちの間でも良く言われる話、「デザインはアートではない」を念頭に、やはりプライオリティーを「企業の認知」や「売れる商品づくりのサポート」に置けば、現在の中国での効果を第1に考えざるおえないようです。
今後中国の人々の意識が変わってくれば、だんだん「クール」なデザインも認知されていくようになるでしょう。

最後に王さんは元々は中国伝統工芸である「切り絵」と「篆刻」の素晴らしいアーティストです。会場にはとてもはさみだけで作られたとは思えない素晴らしい切り絵も展示されました。
私は中国は、その政治的な問題などで日本人の感覚では相容れない部分がありますが、アートディレクターのアラン・チャンやこの王さんみたいに本当に素晴らしい才能を持った人たちがいることも間違い無い事実として認めて行かなくてはいけないなと思っています。

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Gothicゴシック [スタイル]

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フィレンツェ在住の友人が半年に一回、日本でのイベントに合わせて会いにきてくれます。
先日も他の友人一家と一緒に会える機会がありましたので何かお土産と思い、良く足を運ぶパルコの地下の洋書屋「ロゴス」で、「GOTHIC」と言う本がありました。彼女は彫金をやっていますので、パターン集として何か役に立てばいいのかなと思い、それにしましたが、良く考えてみればイタリアにはそれこそ「犬も歩けばゴシック」状態ですよね。本屋にはそんな本ばっかりあるのかなとも思いましたが、逆に言えば、イタリアだからこそそういう本を普通の人はあまり買わないかも・・・、日本で言えば小紋などの文様集でしょうか(最近は売れてるようですが)—と判断しました。
一応社交辞令でなければ、お土産成功でした。CDもついてて、お仕事の役にでも立てば良いな。

さて、「ゴシック」、最近(でもないか)ゴスロリなどでなじみもかなりありますが、元々は中世の教会建築などがその所以です。みんなの知ってるミラノの大聖堂とか、ロンドンのウエストミンスターなんかが代表でしょうか。

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出典:http://matome.naver.jp/odai/2127373992274672901

非常に細かく繊細で、たくさん。装飾の上に装飾を重ねる感じです。繊細なのに、はかなく無いのはあまりにも過多な感じと、やはり教会ものですから「威厳」ということも重要なポイントだったでしょう。さらに当時は暗黒時代と言われていた時代性もあると思います。ゴシックと言えば「黒」のイメージがあるのはここいらへんが元なのかもしれせんね。タトゥーや、十字やスカルのちょっとハードなアクセサリーなどでもおなじみです。
基本のモチーフは、やはり植物から来てると思います。日本の古い文様やアルーヌーボーなど世界中のほとんどの古い文様は植物由来ですがそれぞれ雰囲気が違いますよね。ゴシックは古い建物に絡まるツタや暗い森の中の茨(いばら)を想像させます。
デザインをやっていると、日本、西洋に関わらずこういう細かいディテールの細工なんかがすごく気になりますよね。



以前にも書きましたが、書体のゴシック体はこれとはまったく逆の位置にあります。ベースに「ブラックレター」と言うものがあり、ここらあたりがローマン体に比較して「洗練されてない」「忌み嫌われた」と言う意味合いで(先ほどの暗黒時代やローマ帝国滅亡の一因となったゴート人に関連があるようです)、ゴシックとなったようです。

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※画像はオリジナルのゴシックの意味を反映する文字

ちなみに私の友人はフィレンツェでアクセサリーを作っています。伝統的で繊細なフィレンツェ彫りをベースにしており、現地にショップもあります。東京と大阪のデパートでは、イタリアフェアなどで大変人気のある作家として呼ばれていますので、日本で買うことも可能です。
興味のある方は下記サイトを参照ください。

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http://www.unikus-fi.com/

インタラクティブアートとUSTREAM [アート]

ご無沙汰しています。
最近何回か開催された“クリエーターズ・カフェ”ですが、先月のゲストは、インタラクティブアートを制作されているライゾマティックスの石橋素(もとい)さんでした。
非常に面白い視覚的効果を狙った作品をたくさん制作されており、CMや、PVなどにも使用されています。
こういうものはあまり能書きを述べても意味ないので、見てもらうのが一番と思います。





面白いと思ったのは、コンピュータの中だけの世界とは違い、非常にアナログな機械や仕掛けを使用するために、もちろん最初にイメージがあって、それに合わせて機械や素材・コントロールの方法を考えるのが順当だと思いますが、仕掛けなどの動きなどによってインスパイアされる場合もあって、結果的に面白いものができたりと、制作経過そのものもインタラクティブ感(アーティストと仕掛けの間の)があるところです。

また興味深いポイントとして、海外の賞を取られた時の話ですが、海外のアーティストは美術学校の時より作品に強いメッセージ性を付加することを教えられていて、ほとんどの作品がメッセージ性の高いものであるのに対して、日本のアーティスト(この場合は彼のグループ)はあまりその部分は強く意識することなく、逆にかえって新鮮に感じられたのが受賞の要因ではないかと話されていました。海外と日本のアーティストのアートに対する考え方の違いがかいま見られますよね。
下記ホームページをご参照ください。
http://www.rhizomatiks.com/

さて、その模様は「coco de sica TV」というUSTREAMチャンネルで放映されました。
「coco de sica TV」は、知り合いの映像会社がやっているチャンネルで、現在は、音楽ライブの配信や今回の「クリエーターズ・カフェ」、またこの会社がやっている社会人向けの講義の模様などを配信しています。今後さらに色々なコンテンツが増えて行くと思います。チャラチャラした内容は皆無ですが、前向きに生きる人にはためになったり楽しめるチャンネルと思います。
http://www.coco-de-sica.tv/

合わせてここでは、自分でUSTREAM番組を作りたい人に対してUSTREAMのオフィシャル収録スタジオUSTREAM STUDIO+(プラス)のレンタルを始めました。

この「coco de sica TV」や、USTREAM STUDIO+のロゴマークなどもやりましたので、次回にその紹介もしたいと思います。

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