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有機的と無機的 [イメージ]

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正確な言葉の意味とは違うかもしれません。あくまでも私の感覚です。
一般的に有機的とは人間や生き物のように色々な要素が結び合って、形作られてる様子。無機的とは生命感の無いもの。ということでしょうか。

グラフィックの場合基本として、特にアウトラインなどに生き物感があり、温度がある様子、無機的とは生き物感が無く冷たい(クールで)、凛とした感じととらえています。

有機的な曲線や形、色、雰囲気などを使うことで、「親しみ」「かわいさ」「暖かさ」「カジュアル感」「人間くささ」「田舎的な」など、対して無機的な表現で伝えられるイメージは「カッコいい」「高そうな」「クールな」「冷たい」「都会的」「先端」「一般的ではない」などだと思います。

特にID(インダストリアルデザイン)やプロダクツデザインなどは非常に直接的に関連がある要素だと思います。クルマなんかも本来無機的な物に、有機的な要素をデザインとして加えていくことで、生命観や躍動感を感じさせ、親近感を持たせることが可能になりますよね。
グラフィックでも例えばマンションなんかのカタログや広告は、都会的で高級な物件はわりと無機的に「凛」とした人を少し寄せ付けないような演出で、郊外のファミリー向けは、有機的な感じで生活感を感じさせる作りになってることが多いようです。

たとえば修正ポイントとして、「もう少し親近感」「もっと暖かみ」「カジュアルに」などのコメントが来たら、「有機的」な方向を考えてみる。逆ならば「無機的」な方向を考えてみるというのも考え方のひとつかもしれません。

最近良く使われるクラシックで繊細な植物的モチーフなどは、有機的な方向でしょう。人を出したりカラフルにしたりするのも広義での有機的な方向性と言えると思います。

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高級感を演出する [イメージ]

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高級感の演出を求められることがあると思います。若いうちは中々無いかもしれませんが・・。
そもそも高級感とはなんでしょう。「価格の高そうな」「上質の」「伝統の」「アッパークラスのための」「オーセンティックな」・・・。
本当の高級とは長い歴史に裏付けられた非常に質の高い技術等によって創造され、長いこと貴族や資産家などに愛されて来たもの、結果として価格の高い物についているイメージのことなんだと思います。
価格が高いからって、一朝一夕に「本物の高級感」を構築できるわけではありませんが、高級なイメージをデザインすることはできます。

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やはり基本はクラシック、コンサバなんだと思います。前述の「長い歴史に裏付けられた」とか、「伝統の」って言うのは大きい要素ですよね。
書体選びなどはその際たる物だと思います。

次に色です。重く重厚な色。黒に近い色(黒、焦げ茶、古代紫、ワインレッドなど)に金や銀など貴金属を感じさせる色の組み合わせはオーソドクスな手法です。

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たまにエルメスなど高級ブランドがキッチュな色(蛍光グリーンやピンク、明るいオレンジなど)を使っていますが、誰もが知っている高級ブランドという固定されたイメージあってのアバンギャルドであって、ブランドの無い会社が使えば、ただのポップ、カジュアルですよね。

最後に「余裕感」「メッセージの少なさ」だと思います。計算された余白や、「言わなくても分るよね」的ないわゆるオーラで勝負って雰囲気を出せれば最高です。
また、非常に精緻な細かい文様なども高級感を醸します。
和の高級は日本人は感覚があるのでやりやすいかもしれません。「金」「黒」「赤」「紫」そして美しい毛筆体か細目の明朝って感じでしょうか。古い紋などの文様も使い方で非常に有効だと思います。

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もちろん、これは基本です。さらに発展させて個性のある物を作っていくのが優秀なデザイナーでしょう。でもこのジャンルは基本をわかった上でやらないと、とっちらかる可能性が高いと思います

※今日の地震はひどかったですね。今日は家に帰れそうにありません。それよりこの地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
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写真に加える [イメージ]

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From designer & design 027 graphiste "akroe"

すみません年末なんでとぎれとぎれです。
写真を加工したりして、カメラマンがアーティスティックに画像を作り込んでいくというのは、わりとたまに見られますが、(今、加工のまったくない写真は無いとも言えますが)写真に、グラフィック的な要素を付け加えるという手法があります。

もちろん、ほとんどの場合最初から計画してるので、問題ないともいますが、やはりせっかく撮った写真に、何かを付加するのは、高級フランス料理に塩をふるような、「モラル的に」引け目がありますよね。
まさにそれこそが、この手法の狙いかと思います。本来それだけでいいものを汚す(言い方変ですが)インパクトと言うか、ショックですよね。

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©STEFAN SAGMEISTER

似たようなものに生きてるモデルの全身にペイントをする等があると思います。
つまるところ、ひとつの「アート」なんだと思います。写真自体ももちろんアートの領域ですが、ある意味普通の人も撮れる幅の広いアートです。そこへ行くと「付け加え」は、コラボレーションです。
センスと思い切りと芸術性が要求され、誰でもうまく行くものではないような気がします。写真そのものよりもアート性が高い分、幅はとても狭まります。

写真を撮る人たちはどういう風に思うのかしら?聞いてみたいです

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※桃井かおりさんのCDジャケットを作ったとき、非常にアートに造旨の深い桃井さんの発案で、ポラロイドフィルムに直接マジックでいたずら書き風に仕上げ、それをそのまま反射原稿として使用しました。

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ラルフ・ローレンのイメージ [イメージ]

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ラルフ・ローレンのヴォーグに掲載した広告です。
完璧なる英国のアッパーを意識したビジュアルイメージです。アメリカ人が憧れる世界がここにあります。
そして使用するモデルのイメージも常に「完璧」です。色々な人種を使ってるとはいえ、メインはいつも金髪のストレートロングでとてもノーブルな美女です。
さらに最近はファッション的にトラディショナルがカムバックしているので、よけいに旬で魅力的に見えます。

しかしあまりに完璧な白人貴族趣味イメージを構築してるが故に、ふと「?」が湧きますよね。
そうなんです。ラルフは彼自身を見ると分りますが、もともとベラルーシ系ユダヤ人で、決してイギリス人またはイギリス系アメリカ人ではありません。(もちろんアメリカで生まれたアメリカ人ではあります)

人というのはオリジンに対して否定的な感覚があり、オリジン以外のものに憧れる場合には、オリジナルの人よりも完璧にトレースしようとし、さらに「形」から入ろうとします。ラルフ・ローレンの場合もその典型ですね。
例えばロンドンの最もロンドンらしいデパート“ハロッズ”は、あのダイアナ騒動で有名になったエジプト人のアルファイドさんがオーナーです。
彼の息子も自分では決して達成できないものをダイアナさんに託したのかもしれません。

さて、完璧主義のラルフ・ローレンはどうしてもモデルの体型に我慢できずに“やっちゃった”事件が耳に新しいですよね。ちょうど1年くらい前だと思います。
スェーデン貴族の血を引くフランス人モデル「フィリッパ・ハミルトン」さんの写真のウエストを、顔をよりも細くしちゃって、彼は日本のマーケットのせいにしたりしながら、結局謝罪をしました。

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業界でも女性の肌や体型の微妙な修正、クルマなら微妙な扁平をかけてかっこうよくしたりしますが、修正する側はある程度リミットを設けてるはずです。
ちなみにフィリッパさん、この後クビになったそうですが、他人には分らないラルフ・ローレンの女性に対する完璧主義のなせるワザ、いや罪でしょうか・・・。

フィリッパさんの実際が見れる動画です。いいモデルです。


http://boingboing.net/2009/10/06/the-criticism-that-r.html
記事を最初に掲載したサイト

フォトショップで痩せる


お知らせ:ごめんなさい。今週は、仕事が重なってしまいちょっとブログが書けそうにありません。今日も休日出勤です。来週あたりまた復活いたします。ご了承ください。


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黄金比と白銀比 [イメージ]

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太古の昔より美しさの比率として建築、絵画,彫刻などに用いられて来た「黄金比」1:(1+√5)/2 (約5:8)。人の身長とへその高さの比率だったりオウムガイの螺旋係数だったり、ミツバチのオス雌の比率だったりと自然界に元々ある比率です。
私たちの一番身近にあるのは「名刺」です。通常の名刺サイズ55×90mmは黄金比率に近い比率です。
それに対して私たちがよく使う「紙」の寸法はA、B列とも「白銀比」と呼ばれる1:√2でできています。これの特徴は長辺を半分にする形で2つにすると、同じ比率の紙が2つできるという非常に便利な特徴を持っています。
物の本によると黄金比は西洋の古い建築に、白銀比は日本の古い建築によく見られる比率と言うことで,人間の「頭身」と比較して解析する人もいます。西洋人の方が頭身の数が多く、つまりすらっとしているのに対し,日本人の頭身が低いので,この比率が日本人的にはしっくり来ると言うものです。
その説でいけば,現代の人間の頭身はさらに増えたので(8〜9頭身)、黄金比よりもさらにスリムな1:√3(1:1.7)を新しい黄金比と言う人もいるようです。確かに少し細身の名刺を作る人もいて、ちょっとモダンな印象があります。最近のワイドテレビの画面は16:9なので、この新しい黄金比率に近い数値を持っています。

さて,前置きが長くなりました。たとえばサンプル画像にあるように下に白い帯を作って文字やロゴなどを入れるわりとオーソドックスなレイアウトがありますが,紙面の白銀比に対して、写真を黄金比にするのを基本にしています。もちろん雑誌見開きなどは、ベースが白銀比にはならないパターンもあるので,みんなこれで行けるわけでは無いのですが、いい加減に縦横比を決めるのではなく「黄金比(や白銀比)の額面と言うのは美しい」というのを知った上で作業するのがいいと思います。何でもそうですが,知った上で崩すのは「確信犯」ですものね。

タグ:黄金比
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エロなイメージ [イメージ]

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必要に応じてエロなイメージが必要な場合があります。(さりげなく言ってます)
まず色彩ですが、なんと言っても「赤と黒」。代表選手です。「ピンク」もエロには違いませんが、かわいくもあり、あったかくもあり、微妙です。
うちの若いデザイナーが好きな深夜のランキング番組で、学園祭などでピンクのセロファンによる照明を全面禁止というのがあるそうで、笑わせていただきました。
私の友人のCDが携わった仕事で、天才アラーキーの花の写真をB倍ポスターにしていましたが、さすがにものすごいエロでした。(下の写真は違います)
花は、よく題材として使われますよね。

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いずれにしてもきちんとしたもの、正しいもの、整いすぎているものにエロは希薄です。あまりに整っている美しい裸には神々しさは漂いますが、エロではありません。つまり、少し崩れたもの、あえて隠されたもの(見えそう、または中を見たくなるもの)、背徳のイメージがあるものに、エロは宿りやすい。花柄の水着と全身ぴっちりした黒革、肌の露出とは反対に後者の方が明らかにエロですよね。

最初のサンプルはずいぶん昔に嫁がデザインしていた靴屋さんのためのイメージです。
細いヒールのある黒革、赤い生肉、赤いバラ。全部そっち方向です。
いろいろ探っていけば、もっと思わぬところにエロが宿っているかもしれません。

Photo:Yshihiro Kwaguchi, Ryuzo Minemura 転載使用は不可です。
★質問や、取り上げて欲しいことなどがあればコメントか、ホームページからのメールに入れてください。



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