SSブログ

TARO OKAMOTO @ shibuya_station [アート]

taro1.jpg

こんにちは。
しばらく難しい話が続いたので、少し矛先を換えて。

私の事務所は表参道というところにあるので、帰りに渋谷を経由します。渋谷で下車して、ちょっと飲みに行く時には銀座線から井の頭戦のホームに行く途中の、ちょうど「マークシティー」の入り口にあたるところを通るようにしています。
ここには皆さんもご存知の方が多いと思いますが、岡本太郎画伯の「明日の神話」というとても大きな壁画が展示されていて、それを見るのが目的です。

縦5.5、横30メートルに及ぶ巨大な壁画は、原爆が炸裂するところを描いているそうです。一見非常におどろおどろしい絵ですが、題名からも分るように、破壊に内包する生のエネルギーをテーマにしてるのだと思います。
ちょうど太陽の塔とほとんど同じ1968〜69のまだ若い頃の作品で、画伯のエネルギーがまるで巨大なキャンバスでは足りないような勢いを見せていますよね。太陽の塔の手の部分にあたるようなモチーフも使われています。
このような大作をいつでもタダで(失礼!)見れるのは非常に幸せです。

taro2.jpg

これは、私たちのような職業の人たちにとって非常に大事なことですが、大きい面積のキャンバスに、緊張感を持たせるビジュアルを展開するのは、簡単ではない。才能か、努力か、力が必要です。
大きい面積は決して小さい面積の拡大ではありません。カタログやポストカードと同じようにポスターを作るのはダメです。

最後に画伯の言葉集より、
みんなに
“壁は自分自身だ”
自分に
“もっともっと悪条件の中で闘ってみることだね”
写真をやられてる方が多いようなので、
“写真というのは、偶然を偶然でとらえて必然化することだ”

taro3.jpg
おススメです。

“明日の神話”再生プロジェクト
http://www.1101.com/asunoshinwa/asunoshinwa.html

nice!(6)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

中国古来の美しい書体「雅体(みやびたい)」 [アート]

miyabi1.jpg

前回の韓国サムスンのデザインの話題に続いて、PAOS中西さんを中心として桑沢デザイン研究所で運営されている第6回 STRAMD&JDB 特別公開講座に行ってきました。

今回の話題の中心は、今日本は何かと騒がしい中国です。お話しされたのはPAOS上海代表の王 超鷹(Wang Chaoying)氏でした。彼はPAOSの中国のトップとしてのデザインの仕事の他に、中国古来の文字の研究家でもあり、また伝統美術である「切り絵」のアーティストでもあるという多方面でその才能を遺憾なく発揮されている方です。

今日は講義で取り上げられた彼の研究素材である非常に美しい書体である「雅体」のご紹介です。
雅体は古代中国で貴族たちの間で使用された美しい装飾の施された漢字です。見た目は字の元になった象形文字の特徴を残し、特に鳥や魚の形を使用し、美しい曲線と優れた形態デザインにより形作られています。中国各地で、王の剣などに彫られて出土してるようです。

miyabi01.jpg
古代中国の様々な雅体

当時は雅士という専門家がいて貴族たちのオーダーで、雅体を形作っていたようです。秦の始皇帝による中国統一によりその火は消えましたが、王さんの手によって美しくリデザインされ、紹介されたことにより、現在世界中から非常に注目を集めています。すでにロゴマークなどへの使用例もあるようです。
同じ表意文字である漢字を使う民族として、非常に魅力あふれる「美しすぎる」文字に感動しました。

王さんのサイト:彼の制作した中国伝統の切り絵が表紙です。
http://www.ji-bo.com/

文字について
http://www.ji-bo.com/yd_index.htm

ピクチャ 3.jpg

現在使われている唯一の象形文字、雲南省ナシ族による「トンパ文字」の研究もされています。
tonpamoji.jpg

※画像は王さんのサイトより抜粋

nice!(4)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

POP ART展 [アート]

yokosuka.jpg
こちらから横須賀美術館のホームページへ

連休のうちの一日で横須賀美術館の「POP ART展」に行ってきました。
世の中の美術館がわりと今、印象派あたりを中心としている中で、前回のブルーノ・ムナーリ展といい、今回のものといい、この美術館は独自の道を歩いております。
ちょっと交通の便が悪いのが難点ですが、その分オーシャンビューの立地を活かした「観光」的要素も併せ持った美しい施設です。

さて今回はポップアートですが、まあどこまでがその範疇なのかは難しいところで、今回も典型的なものからモダンや前衛的なものまで展示してあるような気がします。その中でもウォーホルやリキテンシュタイン、キース・ヘイリングなどは、同時代を生きて来た有名ポップアーティストとして、見やすく、シンパシーを感じました。
アンディーは今までの自然や人物、抽象などのモチーフ、1点ものを制作する作法から、大量生産のアイテムをモチーフにしスクリーン印刷と言う複製の出来る(大量生産に似た)方法論でアートを作った、その既存からの脱却の概念が素晴らしい。まさに驚きと評価を得た理由だと思います。
また、フィギュアやキャラクターをアートに昇華させた日本の有名なアーティスト村上氏の考え方は、アメリカンコミックをアートに仕立てたロイ・リキテンシュタインのそれに通ずるものでしょう。まさにポップアートです。

誰でもコンピューターひとつでデザイナーになれるように、誰でもアーティストになれる時代です。しかしそこには、「概念そのもの・考え方そのもののアート、ブレークスルー」が重要な気がします。さらに継続、進化していくことも非常に大変で重要なことに思います。

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。