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キャラクターを立体で製作、シンボルに [クリエイティブ]

まったく更新できないでいますが、ブログを始めた頃にこんなことを若い人に伝えられればと思っていたことは、ある程度書いてこれたので、自分としては一巡した感じです。
今後はなんか仕事上で話題があったり、気づいたり、見たりした時に、不定期ですが書いていけたらと思っています。お許しください。
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さて、ちょっと古い作品を整理する作業があって、いろいろ引っ張り出していたら2008年にやった仕事で、露出的にはかなり少ない(発注主の専門分野界隈のみ)という内容だったのですが、結構面白い内容で気に入ってた物があったので、ちょっとでも参考になればと紹介させていただきます。

皮革を使ってカバンや小物を作っている製作会社などで組織されているアソシエーションで、自分たちのオリジナルの作品を募ってコンテストを行い、優れた作品を表彰するだけでなく、応募作品すべてを誌上で公開し、しかも希望者には販売もしようという意欲的な内容でした。

アワードのプロデュースをされている会社から発注があった時に考えたのは、まず「このプロジェクトのシンボルが必要だ」ということでした。
しかもあまりメディアの露出が無いので、奇をてらいすぎた物ではなく、かといってありきたりではない物という縛りでいろいろ考えました。

カッコいいシンボルマークや、アワードですからオスカー像のような物までありますが、この時は「テディーベア」を最終候補としました。キャラだけどテディーベアという名称を使わなければミッキーマウスのような著作権の縛りも無い。しかもみんな好きでカワイイ。
このテディーを「皮革」で製作して、このテディー自体をトロフィーとして優勝者に提供しようという内容を詰めて提案、決定をいただきました。

さらに皮革のプロたちですから、テディーを作る際に構成される皮のパーツをすべて「白」で、違う皮革素材(トカゲやクロコ・・もちろん輸入制限のある物は型押しですが)で製作、目の色も左右で微妙に違えたりして、カワイイだけじゃなくちょっとおしゃれな感じにしました。一応シンボルマークも作って皮小物についてるようなタグっぽくペンダントに。製作はYoji Yamamotoなどの仕事をされている方に特別にお願いしました。

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あとは案内や、申込書、雑誌広告などをこの皮のテディーをシンボルとして制作しました。テディーを白い皮で作ったメリットはかなりあり、わりと強いなオレンジをシンボルカラーとして、テディーの色との折り合いを考えること無く使用することが出来たと思います。

案内状のパッケージなどもちょっと凝った感じにして、良く出来たおしゃれなテディーにふさわしい仕上がりになり、一緒に作業した優秀なデザイナーのセンスも生きた仕事になりました。
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SNS [ムーブメント]

いま、ビジネスでネットの話になると必ず登場する「SNS」。

映画にもなったFACEBOOKで有名なソーシャル・ネットワーク・サービスです。先週行われたクリエーターズカフェ第2回でのテーマでした。
たぶん、ネットや広告などに関わってる方は色々なところで勉強会などがあるんじゃないでしょうか?
やはり我々の業界の興味としてはこのネットワークを企業がどう使ってメリットを作っていけるかということではないかと思います。またその話でいろいろ意見も出ました。

とりあえずホストの石橋 宗親氏が、皆さんも良くご存知のFACE BOOKやMIXI以外に今ある様々なSNSサービスを紹介してくれましたので、復習の意味でいくつかここでも皆さんに紹介できればと思います。簡単ですみませんが。SNSど真ん中の物から、広義のネットワークサービスという物まであります。

Google+
グーグルが始めたSNS。サークル、グループ内のみのコミュニケーションが可能です。 パソコン上のカメラでビデオ会議なども可能。

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http://www.google.com/intl/ja/+/learnmore/


strong>Linkedin
リクルートを中心とした仕事上のチャンスを作ったりするのに有効なSNS。現在は英語版のみ。

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http://www.linkedin.com/


foursquare
地理サービスを利用したSNS。自分の位置に対してのアドバイスコメントなどを他の人よりもらえる。今後レストランなどが利用しそう。

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https://ja.foursquare.com/


Instagram
I phoneで撮った写真を共有するSNSサービス。

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http://instagr.am/


Slideshare
パワポを中心とした企画書などをシェアするSNS。この中のプレゼンシートなどを利用して自分の企画書を作成できる。

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http://www.slideshare.net/


Plancast
イベントや予定の共有。

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http://plancast.com/home/all/100181


Hunch
ユーザーの投げかけに対して質問を返し、それによってユーザーの意思決定を助けていくサービス。

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http://hunch.com/


Lang-8
他国語を勉強するにあたって、ネイティブが自分のコメントの間違いを直してくれるSNS(相互添削型=自分も他の国の人の日本語を直したりできる)。英語などの勉強に最適。

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http://lang-8.com/


kickstarter
これは日本でやってたマネーの虎みたいな感じで、自分のプランに対して知らない世界の人から投資してもらうサイト。もちろん投資に対する見返り条件も出す。演劇などだったら公演した時点でのタダ券とか。

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http://www.kickstarter.com/


jamendo
音楽ソース(クリエイティブ・コモンズ承認著作)の共有。

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http://www.jamendo.com/en/


KHANACADEMY
色々なことが無料で学べる動画が揃っている。特に英語をやってる人はいいんじゃないでしょうか。すべてクリエイティブ・コモンズ承認(著作物の再利用がしやすい)。

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http://www.khanacademy.org/


結局のところ色々な人が、色々な場を作っています。どれがポピュラーになって、どれがなくなっちゃうのかはともかく、用途や個性に合わせて利用するということにつきるんじゃないかと思います。企業は新しい物に対していろいろやってみようとしてるはずですが、目に見える本当の効果が出るのは、もうチョイ先の話かと思います。

でも直接会って、目を見て話せという教育を受けてきた僕たち世代には、結構なじめない部分もありますね。でも時間を見ていくつかトライしてみます。

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簡易で味のある印刷 [印刷方法]

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私たちが仕事であまり使用することは無いのですが、今書店で売ってる「デザインのひきだし」という専門雑誌では、“ピンクマスター”、“デジタル孔版”などのちょっとプリミティブでエコで安価な印刷方法を紹介しています。

“ピンクマスター”は、「紙」の版で印刷するオフセット印刷です。紙だから、通常オフセットの金属板に比べて耐久性が無く、また伸びがあることからカチッとした仕上がりにはならず、また大量には刷れないんですが、それ故の素朴な味があり、印刷価格の安さも伴って、一度何かで使ってみたいという気にさせます。紙って言うところがエコごころを惹き付けますよね。
単色印刷の注文が多いようです。通常のプロセス4色印刷も出来るのですが、新聞くらいの100線程度のアミ点に適していて、版ズレも味と見て素朴を楽しめれば、結構いい感じです。

だいたい数10枚から2000枚程度。紙はA3ノビ程度まで。色はCMYK、金銀など特色も含めてかなり広く使えるようです。

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デジタル孔版は要はスクリーン印刷です。この本では「リソグラフ」「サテリオ」を紹介しています。素朴で手作り感あふれるロハスな(最近聞かなくなりました)作品を掲載していますが、ズレや、ムラを意識した上で、もっとモダンで面白い物も作れるはずです。

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その他には昔懐かしいガリ版を(小学校の時に良く使いました)いまだに使って素敵な作品を生み出してる人なども掲載されています。

前述の2つの方法は一度、何かで挑戦しようと思います。一度この形で刷った物を元にして通常オフセット用の原稿を作成するという方法もありますよね。その時にまたレポートできればと思います。

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お伊勢参り(パワースポット) [閑話]

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ブログのアップも進まず、今回もちょっとテーマはずれますがお許しください。
少し前に流行っていた「パワースポット」。日本のナンバーワン人気スポットと言えばお伊勢さんですよね。
3連休だけど最終日だし、台風だし、もうきっと下火だしとちょっとばかり運気をいただきに、一人でふらっと行って参りました。
上の写真のように予想より台風が早く、雨がたくさん。でも若い女性を中心にけっこう人がたくさんいてびっくりしました。
皆さんにもちょっとだけ運気のお裾分け。(できたらいいんですが・・)

下宮の本宮(御正殿)です。(本宮は下宮、内宮ともに鳥居の中は撮影禁止でした)
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内宮の宇治橋の脇にあるのですが、なんのためにあるかわかりません。
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これは藁葺きではないですが、日本の屋根ってきれいです。韓国、中国、アジアではもっとそりが強くなりますよね。国民性的な物も反映してるようで面白い。
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内宮の御正宮です。人が多いので係員が整理をしてました。20年ごとに新しく隣に立て替えるそうです。
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いにしえの昔より木を基本的に伐採してはいけないという決まりがあるようで、普通の神社仏閣ではご神木と呼ばれる以上の古木がゴロゴロしてました。いい写真家ならもっと・・・。
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さすがに鳥居をひとつずつくぐって中に入っていくたびに、温度が1度ずつ下がっていくような感覚はパワースポットらしさを実感した気がします。
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好きです。古い金具の形。
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参道のおはらい町通り。古い町並みを残してるのでいい感じだし、アンティークなグラフィックも。
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写真展などもやってました。
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http://www.akafuku.co.jp/jingunomori/index.html


でもとても印象に残ったのは・・・
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意図しないで作られるこういう物って、力あります。(津駅を使ってる現地の人にとっては何のインパクトも無いと思いますが)
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パウル・クレー 「線」の人(パウル・クレー展 終わらないアトリエ) [アート]

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私のブログではたまに行った絵画展のことを書くと、メインの記事よりアクセスが多いという、トホホな解析ですが、ずっとご無沙汰してた口開けは「パウル・クレー展」です。

平日行ったのにすんごい人。日本の人たちのダーイ好きなパウル・クレーさんならではですね。
毎年どこかでやってる印象の強いクレー展ですが、さすがに今回は「またかよ」と言われるのを回避しようと、昨今はやりの企画展です。
企画内容は、転写したり、切ったり、はったり、裏表で描いたりっていうクレーの飽くなきトライ(&エラー?)を、その技法別に展示してあることでした。

ちなみに
パウル・クレー       1879/12-1940/06
ワシリー・カンディンスキー 1866/12-1944/12
アンリ・マティス      1869/12-1654/11
ホアン・ミロ        1893/04-1983/12
パブロ・ピカソ       1881/10-1973/04
ジョルジュ・ブラック    1882/05-1963/08

さすがに同じ時代を生きていた彼らには、違うグループだったり地域だったりしても、すごく共通点があると思います。この頃の人たちって今までの絵画から抜け出そうととても実験的な構図や技法、モチーフ、表現をしようともがき、絞り出そうとしてた人たちですよね。
具象から抽象への時代。何もクレーだけじゃないとは思いますが、この展覧会では特に様々な面白いことをトライした人として技法とそれに呼応した絵画を取り上げています。作家や時代を掘り下げる意味でいい企画だと思います。
この前のレンブラントもやはりそういった企画展でしたが、彼だっていろいろトライしてたのが良くわかりました。

さて私感です。クレーは、多分上に掲載した絵のようなイメージで人気があるんじゃないでしょうか。きっと多くの人たちは「パウル・クレーって、色彩の構成が素晴らしくて幻想的で美しいわよねー。」って思ってるんではないでしょうか。またそこが人気の元のような気がします。

でも基本彼は「線」の人だと思います。今回の展覧会は特にそのことを感じさせるような絵が多かったですね。下の絵を見ると実は面で表現されてたと思っていた色彩が、線の間を塗ったものであることが良くわかります。 

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カンディンスキーと共にバウハウスでも教鞭をとっていた彼は、モチーフや表現にもそれっぽい物があって、特に線で描いた素描やそれを元に彩色した作品など「バウハウス感」が感じられて面白かったです。

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ちなみに今回の私のピカイチくんはこの下の絵です。「入り江」。素描と転写(?)の2点ありましたがこれは素描の方です。間違いなく入り江です。岩や木や向こうの半島やすごく想像できますし、1本ではありませんが(4本)、一筆書きのような感じで描き上げています。しかもどこも破綻の無いすんばらしいライン。友人のイラストレーター野口さんと語り合いたい。

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展示会は7/31までです。多くの作品を押し込んでるのでちょっと見づらいところがありますが、ぜひ。しかも中は作品保護のために涼しい〜。
http://klee.exhn.jp/
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※イメージは図録および展覧会サイトより。

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溝呂木画伯 [イラストレーション]

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昨日イラストレーターの溝呂木陽さんが遊びにきてくれました。

ミゾロギさんといえばカーグラフィックから出た「紙のクルマ」が一世を風靡した有名なイラストレーターですが、富士重工のカレンダーの仕事をしていた時に巻末にスバルの紙のクルマを制作してもらった縁で、知り合いになりました。
上の写真をご覧ください。もちろん画伯直々に作ってもらったとはいえ、一枚の平べったい紙に印刷されたものがこんなに実車に近くなるなんてちょっと信じられませんよね。

現在は紙のクルマ以外にも、ちょっと古いクルマのレース風景を中心とした素敵な水彩画や、パリを中心とした街角の何気ない風景をしゃれたタッチで描かれた絵など幅広く活躍されています。
昨日も、家族でパリに行った様子を写真に撮って、たくさん見せてくれましたが、彼の場合には家族サービス=仕事旅行ですので何ともうらやましい。
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ミゾロギさんを見てて思うのはクルマ好きな子供がそのまま大きくなって、ちゃんと自分の「好き」を昇華させて、業界でも彼ありと言われるようになってることです。好きこそ物の上手なれと言いますが、その思いはピュアなまんま、高い技術がフォローしている様はやはり人を感動させるものがあります。
自分の子供が出来れば、子供用の立体絵本を商品化するし、最近は趣味が高じてモデルカーの雑誌も発刊してるようです。
http://mizorogi.blogzine.jp/modelers/

あっちこっち大人ぶって興味を分散させるんではなく、好きを工夫しつつ高めていく。クリエーターとして画伯のスタンスに羨望です。

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今度9月23日〜28日に神宮前の「ペーターズギャラリー」www.peters.co.jp
にて恒例の個展をやられるので、ぜひ見に行ってください。クルマが好きじゃなくても絵を楽しめると思います。

ミゾロギさんのホームページ
http://www8.ocn.ne.jp/~mizorogi/Welcome.html

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フランス料理とミシュランガイド [閑話]

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今日はデザインの話ではないので気軽に読んでください。

久しぶりにSTRAMDの公開講座に足を運びました。今年になって案内が来ないのでやってないのかと思ったら単にメーリングリストから漏れてたとのこと。素行不良につき排除か?と一瞬不安に(笑)

さて、今回はあまりにも有名な料理評論家の山本益博氏を迎えて、「ミシュランガイドの企業戦略」と題した講座でした。
山本さんは落語好きとあって、下書きも何も見ずに2時間私たちをまったく飽きさせない楽しい話を披露しました。講座だからテーマがあって、それに合わせて考えて来られたと思いますが、まあ美味しそうな話が次から次へと出てきて、そのまま家に帰るのが結構つらかったです。

さて、その中でいくつかピックアップしてみます。ミシュランガイドは、タイヤメーカーが出してますから、最初はドライブガイドのような物で、初期の本には基本的なタイヤの修理方法なども書いてありました。今でも地図と名所旧跡ガイドを別冊として3冊一組で出しています。最近外国人の読む日本版に高尾山が三ツ星で載ってて話題になりましたよね。

大きな話として、今フランス料理はロブション、デュカス以降のスター不在で、世界の料理の話題はスペイン(エル・ブリ)、イギリス(ファット・ダック)、デンマーク(ノマ)(カッコ内レストラン名)なんだそうです。そこのレストラン、特に料理に特化して三ツ星(デンマークは2つ)をつけたので、今までの「料理」「内装」「サービス」という評価軸がずれてきているということ。今までいっさいコメントが無かったのが最近になって、評価に対してコメントが載るようになったことなど。つまり、様々な事情でミシュランガイドは長い歴史の伝統から変化を始めてるそうです。

その顕著な例として、フランス、ヨーロッパだけでなくニューヨークや東京、鎌倉、関西と新しい地域に進出しているのはご存知の通りです。
フランスのミシュランは今でも写真無しで、イラストを使い星無しのレストランもちゃんと載ってるのに対して、アメリカで写真を採用したあと日本でも同じように写真入りで、しかも星がついた店のみを掲載するという、本家の物とはかなり違うスタンスで展開していますよね。

やはりフランス料理を頂点とした世界の料理界はフランス以外からのニューウェーブの登場で大きく変化しているようです。それにミシュランも合わせるような形で変化してるんじゃないかということのようです。
あまり高級な食べ物に縁が薄いので中々その雰囲気を感じるところまで行けなそうですが、安くて美味しい物を食べながら(飲みながら?)、今後の料理の世界を外側から見守ってみようかなという気になりました。

山本さんは若い頃辻静雄氏の書いた本に魅せられ、若い頃言葉もわからずにフランスに単身乗り込み、その後100回以上も渡仏されてその他部に新しい美味しさを探求されてるとのこと。「好き」だけじゃない、その飽くなき探究心とそこで養われた深い知識には本当に頭の下がる思いです。やっぱり有名な人には理由があります。

山本益博さんのホームページ
http://www.masuhiro.jp/
※上左の画像はwikipedeiaより


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浅ピンベタピン? ピントはあとからでオッケイ。 [写真]

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お読みになった方も多いと思いますが、数日前の記事で「ピントは後から合わせればいい──米企業、画期的なカメラを製品化へ」という記事がありました。
もし読まれてない方は読んでいただくとして
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1106/23/news099.html

要は被写体のきちんとしたデータと分割されたスペースごとに光の角度から距離を記憶することで、あとで被写界深度を設定すれば、そのような画像が出来上がるということでしょうか。
カメラマンと、「ピンはどうする?」なんて会話が要らなくなる・・ですかね?

まだ少し先の話ですが、想像するにけっこうデータ量が多くなりそう。
以前イラストレータが点と線でデータ化してた時期から、今の「面」でデータ化するようになって、データの大きさが下手すると10倍以上になってしまったようにです。
記憶容量の進化によって、色々なプログラムが可能になったといい方向に考えることにします。

カメラではないんですが、同じように距離を計算するという内容で、最近知り合いの会社経営者が開いたクリエーターズカフェにて、“プロジェクション・マッピング”が取り上げられました。
恥ずかしながら私は内容は知っていても、名称を知りませんでした。

凹凸のある建物を使って、プロジェクターによって映像を映す手法で、ただ映すのではなく、凹凸の距離を測ってそれによってプログラミングし、きちんと建物のディテールに合わせて映像を「マッピング」していく。
非常に面白い効果が出せて、見る人もびっくりするような視覚的なエンターテイメントがあるのですが、中々日本でメジャー化するのにはハードルがあるようです。
一度絵画館でやったのをご存知の方もいらっしゃると思います。


※この動画は日本ではありません。

日本でもこんな楽しいパフォーマンスがあちこちで行われると良いなと思います。モーターショーなんかの催事関連は室内なので、ハードルも低く、より理想的に行けるようです。
日本では優れた方々が技術を持っておられるので、ぜひやってみたいという会社やイベントプロデュースをやられてる方などいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。ご紹介できると思います。

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はやっちゃうけどおわっちゃう。 [閑話]

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業界の色々な技術職っていうのがあります。昔だったら写真のプリンター(モノクロ写真などを印画紙に焼き付ける)、修正用のエアブラシ、写植など、
データ時代の今だったら、レタッチャー、ウェブのコーディングなどでしょうか。

元々日本人は手先が器用だし、繊細だから技術職の人はすごく優秀な人が多い。
昔からずっとそうだと思います。
昔は彫金だったり、版木を彫ったり、桶を作ったり、包丁や刀を作ったり・・・・。小僧からがんばって手に職をつけたら一生食いっぱぐれが無い。それどころか技術が上がって「親方」にだってなれます。
日本人の先天的なスタイルはこのカタチ=「叩き上げて一生かけて昇華する」なんだと思います。

でも特にコンピュータが導入されてから現在に至るまで、ソフトがプリミティブな状況で覚えた難しい技術は、ソフト側のリニューアルでどんどんイージーオペレーションになって、いつの日か一般の人にも出来るような状況になっていってしまってますよね。
一時は技術をもてはやされて、とても高い金額をとって外注産業としてうまくやってこれても、永続的ではない。前述のような先天性を持った日本人としては悩みどころです。

たとえばレタッチなども、簡単なことはデザイナーも出来るし、カメラマンも自分の撮った写真を人にやられたくないから自分でやるようになっている。
また、カメラマンのレタッチもちょっと前はレタッチ料として結構取れたけど、今は叩かれる。あまりにも移り変わりが早くなりすぎてきてる感があります。

もちろん以前ほどの料金では無いにせよ、優秀な人たちは今でもたくさんの依頼を受けていいい物を排出してるはずです。さらにいえば、一部の優秀な人はソフトの発達にもキチンと対応して自分のスキルをさらに上げていき、いつまでも先端で光った存在になれるんだと思います。

きっと重要なのは、自分なりに突き詰める意思と行動を伴い、自分なりの工夫と提案を常に行えること。これってもうテクニシャンではなくクリエーターです。
クリエイティブはやはり人間作業ですので、コンピューターで補いきれない。そこに技術者を含めた我々の生き残りの道が(入り口はどこであれ)あるんじゃないかと思います。

※画像:ピザのチーズ引きは「ナチュラルさ」がキモです。レタッチャーの腕の見せ所ですね。「合成かナチュラルかわからない」ようにするのが一番難しく技術がいると思います。

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写真に写ってるもの [心得]

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「肖像権」って物があって、これが結構厄介です。人だけではなくお店とかにもあるようです。私は法律家ではないので厳密ではありませんが、一般論の範囲内で書いてみます。

まず、人の場合、一番いいのは「写っている人すべてに写真の使用方法や掲載媒体、掲載期間などを伝えて了承をとる」ですよね。でも現実的には無理な場合が多い。

基本的に人の場合「その人と限定できなければいい」ということになりますので、グーグルのストリートビューがいい例ですが、「顔をわからなくする(=ぼかす)」が対処法になります。後ろ向きの人は基本的に顔がわからないのでオッケーと見なす場合が多いようです。(もちろん後ろ向きでも明らかにその人とわかる場合には対処が必要です)

広告やテレビドラマなんかは、ぼかしてられませんから、エキストラを使います。
その他私たちはお店や企業の看板なども気をつけます。了承が取れない場合はレタッチで消したりします。建物なんかも街の一部分である場合はいいですが、それだけを使っての広告の場合にはオーナーに了承をとったりします。
また特に繁華街なんかの写真には色々なお店が写っちゃったりしますから要注意です。クルマのナンバーなんかももちろん処理しなくてはダメです。基本、人・もの・店など特定できる物を極力無くすですね。

でも、この範囲に引っかからないのが「公的な物」です。人もです。公的な人、たとえばアメリカ大統領なんかには一般の人と同じような肖像権はないはずです。

それもこれもすべて「あとから訴訟を起こされたり、文句を言われないため」ということの防衛策です。こちらに文句や訴訟が来てくれればまだしも、広告や番組などは企業がスポンサーですから企業にその矛先が向きます。
文句言う側も「企業相手に訴訟を起こすことで賠償金が取れる」という目的がある場合もあると思います。基本民事だと思いますので、だれかが訴訟を起こさない限りは何かが動くことはないんじゃないでしょうか。(言い方微妙にしています)

その分個人の範囲内の場合(例えばブログなど)は、写ってる人が「勝手にのせないで欲しい」と言った場合にはその写真を削除するという方法で落ち着く場合が多いと思います。のせてる側も特に悪意のある場合を除いて、それで稼いでる訳ではないので。

アメリカの影響もあって、日本も年々訴訟社会になっていってると思います。昔の気分でいい加減でいると足をすくわれますので、そっち方面の詳しいスタッフがつかない場合には、充分気をつけてくださいね。

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※法律問題なので鵜呑みにせずに自分の責任範囲で調べて実行してください。あいつの言った通りにやったら訴えられたと言って訴えないように、よろしくお願いいたします。
また違っていたら遠慮なくご指摘ください。修正いたします。

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