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自分の給料ってどうなのよ? [ベーシック]

デザイナーからディレクターになると全体予算や実行予算、見積りなどにも関わって来なくては行けないと以前書いたような気がしますが、今日はクリエイティブとは関係ないお金の話です。

会社に入ってる方は、自分の給料が多過ぎんじゃない?って思ってる人は相当少ないですよね。だいたい、「もっともらってもいいじゃない?」「この労働時間でこの給料は無いよね」なんて思ってるんじゃないでしょうか?
誰がどんだけ稼いで、って言う計算が出来にくい一般企業と違って、私たちの業界は、その気になれば自分の稼ぎ(給与ではなく)を計算できたりします。自分の稼ぎや仕事のお金の仕組みを知ることは、後々フリーランスになったり、独立した時にも必ず役に立ちます。
これから書くのはちゃんとした計算方法ではないし、会社や、細かい分野によっても違うと思います。
あくまでも参考として。

自分の関わってる仕事1年でも半年でも(1ヶ月だと、それ以上の仕事が多く、短すぎる)売り上げがどのくらいか管理職か営業にでも聞いて把握してみてください。その中で実行経費分(カメラマン、スタイリストなどの外注費、印刷費など)を引き算してください。

今度はその荒く計算した利益分がどのくらいのスタッフで成し遂げられているのか、または自分の役割はどのくらいのパーセントかを考えて、割ってみてください。もちろん仕事によってスタッフが違う場合にはぞれぞれの仕事毎に。
営業さん、デザイナー、コピーライターと3人でやってるとしたら、仕事の拘束時間、重要度から考えてデザイナーは40%程度と換算していいでしょう。
最後に出た数字を月で割ってみて、その数字が自分の給料の2倍以下なら、良い給料をもらっています。2倍以上なら会社に貢献してるかな。

給与には福利厚生がついていると思いますが、会社が天引き分の倍を国に払ってますので(個人負担は半分)交通費などと合わせてだいたい30%、会社の家賃の割分、機械、施設、電気、ガスなどの使用費が20%、事務、経理などの人への給与分10%〜、そして会社の利益が20〜30%〜(上に高給取りがたくさん控えているともっと厳しいかも)その他にも夜の食事代やタクシーなどの交通費などいろいろあると思います。
もちろん会社によっても、またひとつの仕事に関わる人数の違い、関わる人の給与の差などもあると思うので、一概には言えません。ご了承ください。

ただ、これ見て、ざくっと想像で計算しても「自分の給料分稼ぐのって結構大変だな」と思う人が多いんでは無いでしょうか。パートやアルバイトのように時間給計算ではないのが我々の良いところでもあり、大変なところでもあります。(こだわって、時間かけてももうけは一緒ですから。もちろん後々効いてきますけどね)

新入社員やアシスタント職は、がんばって自分の稼ぎを計算できるようになってくださいね。そうなった時に初めて会社に対して交渉ってのが出来るようになります。「他がこんなにもらってるのに」は、まったく説得力無しですよ。

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※月曜日には出張撮影がありました。制約だらけと言って良いスタジオでは無い室内の撮影。いろんな要素を素早くチェックして、短時間で最良の答えを出す経験値と判断力が必要です。写真は経験豊富な石崎カメラマン。いい顔してます。


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ページ物の場合の左右の余裕について [ベーシック]

今月も年末に続いて年始より少し忙しくしてます。あまり更新が出来ませんがお許しください。
今日の話は結構基本線なので、「そんなのもう知ってるから」という方はスルーしちゃってください。

ページ物、例えば、雑誌や本の場合「綴じ」というのがあるので、左右にどうしても使えない部分が出てきます。クルマでいう死角のようなものですね。
「どのくらい取ったら万全か」って悩むと思います。

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まず多くの雑誌が採用している「中綴じ」。いわゆるホッチキス2点止めですね。これはホッチキスで留めてから最後に閉じた状態で断つので、どうしても写真のように真ん中に行くに従ってページが短くなっちゃいます。
写真の女性誌、だいたい200ページ強で7ミリ程度差が出ています。ヤンマガのような青年誌などは10ミリを超えると思います。
つまり左右余白を15ミリとっても、実際には5ミリ程度しかないということになり、かなりつらいですよね。

次は無線綴じです。本の形式はだいたいこれですが、今度は「のど」(ページの綴じに近い部分)に、死角が出来ます。見る人はベターっと接着剤がはがれちゃうほど開いてくれませんから、ある程度余白を見ないといけません。

さて、ではどのくらいを見るかですが、雑誌原稿など、どこに入るのかが分らない場合には通常端から12ミリから15ミリには要素を入れないようにと考えます。厚い中綴じの場合には、10ミリをデッドゾーンと見て(無いものと考え)そこから左右の適正余白をとったりもします。(合計約15〜20ミリ)

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平綴じの場合にはどちらがのどに来るかは分っていますので、のど部分にあえて大きく余白をとるようなレイアウト(外側に寄せるレイアウト。デザイン上のホワイトスペースと、デッドゾーンを兼ねるやり方)をするか、やはり10ミリ以上をデッドゾーンととらえて、そこから適正余白を取るかですね。

下の写真は私のとても尊敬してる杉浦康平さんの手がけた本ですが、わざと余白をとるデザインではないのに24ミリ以上開いてました。これだと、とても自然で余裕のあるレイアウトに見えますね。絶妙です。

bsugiura.jpg

雑誌、本にしても、左右天地のディメンションがA4やB5などに比べて天地が短く左右が若干長い物が多いのはこの左右のデッドゾーンのことが影響してるはずです。
※数字等は個人的な経験値によるもので、人によって考え方ややり方には差があります。



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シンメトリーとアシンメトリー [ベーシック]

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皆さん先刻ご承知の話かと思いますが、おつき合いください。
世の中にシンメトリーフェチと言う人という人たちがいるそうです。私もけっこうそうかな。

シンメトリーのものは堂々として安定感があり、様式美にあふれ、永遠を感じ、そして時に権力的です。2つの目を持つ人間にとって中心から同じように広がりを持つものはひとつの視覚的理想なんでしょう。

対してアシンメトリーは、はかなく動的で、刹那的。異端で、心をざわつかせ、すごく気になります。まるで冊の無いビルの屋上のは十個で片足で立ってるような・・。瞬間で人の心をつかむ必要のある広告的には魅力的な要素が入っています。

建築家にしても、我々にしても、「安定」と「動的」をこの2つを意識することで、作り上げることが可能ですね。例えば宗教的な要素が強い建物はシンメトリーが多く使われ、そうでないものはアシンメトリーを取り入れてます。
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前者の代表はインドのタジマハールや、トルコのブルーモスク、サグラダファミリアなど。後者はドイツのノイシュバンシュタイン城などです。宗教的なものは人々に畏怖を与え、未来永劫を感じさせなくてはいけませんものね。

グラフィックの世界では、シンメトリーでは堂々感とパノラミック感で、アシンメトリーでは、もちろん上記のように動きのある原稿や、不安定感が生む魅力、不思議な形で開いてくる余白の魅力を活かせる原稿が出来、人の気を引くことが可能です。
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シンメトリー的にレイアウトしている時に「やっぱりなんだか収まりすぎてるよな」って思うときがありますよね。「収まってる」はいい意味と悪い意味が同居してます。シンメトリーの中にアシンメトリーな要素を取り入れることでもちょっとした動きや躍動感が出たりします。レイアウトの中でアシンメトリー要素を取り入れることで原稿の流れができ、自然に読んでいけるような原稿になったりします。

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※上は昔のJRAの女性ファン獲得のために作った女性誌用見開き広告。中はショッピングセンターのポスターと自動車メーカーの雑誌広告、下は企業の環境新聞広告です。

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