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マーク&ロゴタイプの考え方(1) [クリエイティブ]

cinq_logo.jpg

マーク&ロゴタイプの制作は、かなり純粋なグラフィックデザインなのですが、アイデア段階ではきっちりしたアートディレクションが必要になります。
デザイナーという職に就いたら多かれ少なかれマークや,ロゴの制作を頼まれたりした経験があると思います。知り合いの洋服屋さんや飲み屋さんから企業まで、発注元は様々だと思いますが、デザインをする楽しさと、それをお店や会社の人が名刺や看板に入れて(多分)長いこと使ってくれる充実感や高揚感もあります。だからこそいいものを作らなければいけない責任感もあるでしょう。

まず、マークとロゴタイプっていつもくっついて考えるもののような気がしますが、実際はロゴタイプだけでも、デザイン的なものはそれ自体がマーク的な要素を持っていたりします。
マークが必要なのか、ロゴタイプだけでいいのか、マークにロゴタイプを組み込んで一体としてデザインしたら良いのかは、使用目的や,使用場所、企業やお店のジャンル、およびスタンス、さらには時代性なども考察要素のひとつでしょう。

マークには少し前に書いたキャラクター的要素もありますから、たとえば商品等に展開する必要があれば,有効ですよね。上手なデザインで商品も優秀なオリジナルでいあれば、うまくブランド化への即効性のあるビジュアルアイデンティティーになってくれるはずです。たとえば車のメーカーなどは「エンブレム」という重要な需要があります。日産のように逆にエンブレム的なマークをあえてCIとして使ってる企業もあるくらいです。
逆にアパレルなどはあまりマークを好まない傾向にあります。キャラクター的要素を持つマークには取っ付きやすさもありますが、反面イメージを固定化、限定化させる嫌いもあって、時代とともに変化していく商品を提供しなくてはいけない業界の場合は、マークなど強いイメージを表現するものは逆に足を引っ張られる可能性があります。

私はマークをデザインするにあたってについていつも考えるポイントがあります。それは「分かりやすさ」と「?」です。発注主によっては「分かりやすさ」が大きな要素になる場合がありますが、逆に「これはなんだろう」的要素を入れることでマークにこめた企業やショップの思いや哲学を、お客さまとのコミュニケーションの手段として使うことで、「なるほどね」が、よりポジティブな効果を発揮する場合が多いからです。
サンプルは、以前に書いたワインショップのロゴマーク(右)で、形はワインセミナー会社(左)と共通です。一見、曲線で構成された抽象的な形に見えますが、実はグラスの中でワインを回す「ワインを感じようとする時にやること」を「五感」という名の会社のストーリーとして表現しています。使う側もそれが受け手の「なるほど」につながると、うれしいものだと思います。

タグ:マーク ロゴ
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コメント 4

うたいびと

はじめまして☆
いくつか記事を拝見いたしましたが、実際にデザイナーさんの話がきけて、すごく勉強になりました(^-^)
by うたいびと (2010-08-19 01:11) 

birdland

うたいびと様 ご訪問ありがとうございます。アートディレクターとしての立場から若いデザイナーやデザイン,写真などに興味のある方に見てもらえばと思ってやってます。ご質問などあったらお気軽に。
by birdland (2010-08-19 17:44) 

文音

「分かりやすさ」と「?」が大切、というのは、とても興味深く思いました。
私はいつも必死に「分かりやすく、分かりやすく!」と考えていたので、目から鱗な気持ちです。
マークやロゴのデザインはシンプル故にとても難しいですね><
by 文音 (2010-08-20 12:36) 

birdland

文音さんの写真、十分「?」入ってますよ。意識されて無いのならそれはセンスです。
by birdland (2010-08-20 16:31) 

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