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色の話(3) [カラー]

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「紫色」好きですか?
古代から高貴な色として珍重されて来た色で、原料も高価だったことから、身分の高い人の色のイメージがあります。
自然界では日が落ちた後の空や、菖蒲の花など非常に「美しい」と感じられる物が多いと思います。
でも紫が大好き!って人あまりいませんよね?どうでしょう。私も多くの他のプロの方々も、わりと「紫」って使わない、使いづらい色と思ってるんじゃないでしょうか?
不思議ですね。ワインレッドは使いやすいのに。

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また、企業のコーポレートカラーを「紫」にしてるところは「青」や「赤」のところに比べて遥かに少ないんじゃないかと思います。
理由のひとつはやはり非常に「和」のイメージが強いこと。しかも古い時代の「和」です。一時期、車やバイクで走るやんちゃな人たちが、チーム名を漢字にしたり、車を紫のメタリックに塗ったりしましたよね。伝統的な、ある意味威厳を感じさせるのを「畏怖」のイメージとして使ってたんだと思います。
つまり、今の時代に使うのに「時代の先端」「行動的」『軽快』とは真逆にあるこの色がイメージ色として使いづらい理由も分かります。
さらに言えば、印刷の場合には掛け合わせになることが多く、あまり透明感のある美しい紫が表現しづらいのも原因かもしれません。

色彩学的には「妖艶」と言うイメージもあります。ちょっと蠱惑的な「夜」のイメージがあるので、コスチュームでもそういう使われ方をする場合があります。

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from VOGUE JAPON 2010 March No.127

いずれにしても魅力的な色ではあるので、紫をすごく上手に活かして使ったと思えるような機会があればと思っています。

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