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マン・レイ展 [スタイル]

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そろそろ空いて来たかなと、「新」国立美術館の「マン・レイ展」に行ってきました。写真を撮られる方が多いようなので、行かれた方も多いんじゃないでしょうか。

「黒と白」や、「アングルのヴァイオリン」(女性の背中の写真に弦楽器のfホールを描き込んだもの)などのちょっと変わった写真で、シュルレアリズムの写真家というイメージの「マン・レイ」ですが、今回は写真以外のドローイングや彫刻、サイレント映画なども多く展示され、「マン・レイ」の、芸術家としての全体像がよく見える展示内容でしたね。

このころの「ダダ」「シュルレアリズム」時代の芸術家は手法にとらわれずに、あらゆる可能性を模索した人が多く、マン・レイも、まさにそういう人でした。
一度「螺旋」の項で紹介した、マルセル・デュシャンも様々な可能性を芸術として表現して来た人で、マン・レイとも親交がありました。
マン・レイは生活の糧として始めた写真でさえ、芸術的表現のモチーフとして工夫をし、後世に残る作品と技法を生み出したのです。

私が今回感じたのは、近年の芸術家で従来の枠を飛び出して、自由に表現を展開した人たち、ピカソやマティス、ダリ、クレー、藤田にしても、ちゃんとした絵(表現に問題がありますが、分かりやすい意味で)を描かせるとものすごくうまい。今回のマン・レイのドローイングもご多分に漏れず、素晴らしい絵の才能と基礎技術を感じました。
「しっかりとした基本の上での発展」「正攻法を知った上での打破」「古くからあるベーシックな価値感の上に立つ奔放」。「きちんといい直球を投げれるピッチャーによる変化球」
私たちがクリエイティブをする上でもとても大事な要素だと思います。

※マン・レイ展は9月13日までやってます。

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