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グラフィックデザイナーを募集します。

2013年11月19日更新しました。

現在グラフィックデザイナーを募集しています。
正社員を希望ですが、アルバイトでも1週間のウチ5日以上働ける方でしたら
オッケイです。
経験は問いませんが、経験者優遇いたします。
給与形態、給与に関しては個別に相談いたします。
交通費支給(上限あり)社保完で、
デザインが好きで、良いモノをつくる気持ちにあふれていて
長くじっくりつきえるような方がいいなと思っています。
作品2〜3点をPDFにして、履歴書と一緒にメールにてお送りください。
弊社の作品などはホームページにてご確認ください。
ベーシックな部分をしっかりと押さえながら、
グラフィックからサイトまで色々な仕事を経験できると思います。
メール宛先:bird-info@birdland.jp
ホームページ:www.birdland.jp
応募お待ちしています。
※11月30日までにメールでお送りください

台湾グラフィックその2「パブリック篇」 [閑話]

台湾の街の中はそれこそカオスのような看板にあふれていて、まるで駄菓子屋のようですが(実際台湾にも日本の駄菓子屋のような物がありました)
パブリック、特に台北のMRTは、それこそデザイン的にも優れたコントロールがされていて、そのわかりやすさと便利さは本当に素晴らしいですね。

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改札の機械でさえ造形的にも素敵です。
また日本の切符に当たる物はプラスティック製のコインで、これの素晴らしいところは何度も使い回しのできるという「エコ」にあります。紙のことをいろいろ言いますが、こういうところの紙を無駄にしないで、本や雑誌、ポスターなど必要な部分にはいい紙をきちんと使っていきたいと・・これは私の希望ですが。

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車両もきれいだし、最近日本でも新幹線や南北線などで見かけるホームのフェンス&ドア。車両が来ると赤い小さいライトが光り、明らかに日本の物よりもきれいで優れてます。
社内のLED掲示板も前の駅、今止まる駅、次の駅が同時に表示され、シンプルで親切、わかりやすいです。また警告用ピクトや文章もきれいにデザインされています。

ところが痴漢警告のポスターになると、とたんになんだか安っぽい。こういうのは日本に一日の長がある気がしますが、そのうちこういうのもデザインされていくようになるかもしれません。

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これは車内にあった細長い額面ポスター。日本だと検索窓になる部分がURLにカーソルですね。

次はバス停です。必要な要素が整然と並んでいて、デザインされています。

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バス自体はきれいな物もちょっと古い物もあって、古い物は次の泊まるバス停がわからず、また運ちゃんも飛ばしまくって結構コワい。ここいらへんもバスの入れ替えと共に良くなるはず。運ちゃんはわかりませんが(笑)

最後に松山空港のタクシー乗り場のサイン。距離の長短で乗車拒否しませんって書いてありますね。なんだかちょっと変にデザインされていて、目に留まりました。
空港のタクシーは認可された車両だけなので安心して乗れます。係の人もいてきちんとしてます。

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台湾は近いし、震災の時にも大変お世話になって、なおかつ食べ物は何食べても本当においしいし物価は安い。是非チャンスがあったら行ってみてください。


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九份にあった駄菓子屋さん。3丁目の夕日です。

台湾グラフィックその1「サイン広告篇」 [閑話]

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マイルが貯まりましたので台北に1泊で行ってきました。

いろいろ写真を撮って台湾のグラフィック事情をお知らせしようと思ったのですが、昼過ぎに入って翌日のお昼には出発でしたのでそんなに時間がなかったこともあり、表層的なところはお許しください。

最初に、看板サイン広告関連です。

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街を歩いていて感じることは、看板が多い!そして主張がかなり強いです。
中国の人は基本主張が強いし、大きな声で良くしゃべるので、それがそのまま看板になった感じですよね。国民性を強く感じます。

色が「赤」を中心に原色の物が多く、書体が太い。当然「センス」『美しさ」とかは無縁、直接的で目立つことを最優先。そしてそれらが百花繚乱、カオスのように町にあふれていて、それが街全体の印象を形作っていて、アジア特有のわさわさとした楽しさのような印象につながってます。

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レインボーカラーは好きなようです。

syabusyabu.jpg

しゃぶしゃぶやさんです。

下記に日本の書体で、近い物を上げておきました。
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それでもインターナショナルな企業などはさすがにデザインをしていますね。

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ただやはり「漢字」基本で、シンプルで直接的、スピードの速いコミュニケーションを心がけてる気がします。


そんな中で少数派ですがデザイン的にこだわっているお店のロゴなども散見されます。漢字を使ったデザインは中国っぽさにあふれていて、日本意は無いセンスを感じ、参考にしたいところがあります。

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最後に映画のポスター。日本の物に近い気がします。

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それに対して公共交通機関などは、非常に戦略的にデザインされています。次回に少し例を挙げてみようと思います。

デザインと法律 [心得]

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デザインをやってる人、クリエータの人ってどちらかと言うと「法律」には弱いんじゃないでしょうか?
著作権や肖像権などは、仕事上何となく知っていても、それを盾にクライアントに文句言ったりはできないって感じだったりしますか?
かくいう私も同じような物ですが、今までは良いクライアントや代理店担当者に恵まれて、(たまたま)訴訟などにならずに済んでます。

そんな私たちに非常にためになる本が出版されています。「クリエーターのための法律相談所」。
本屋さんでふと目についたのですが、とてもわかりやすく書いていて参考になりました。

クリエーター、デザイナー、個人事務所経営などは基本的には法律に守られてる側にあると言っていいと思います。もちろん他の人がやった物を盗作したり、勝手に営利目的で使ったりするとこれは著作権侵害になっちゃって罰せられますよね。

ちょっと一部内容をご紹介します。
だいたい私たちに発注してくるのは大きな会社が多いですので、「下請法」という法律が関係してくるようです。
発注側が資本金1,000万円以上3億円以下の場合で、下請会社が資本金1,000万円以下。または資本金3億円以上の発注側で、請負側が資本金3億円以下の場合に適用される物で(ほとんど当てはまるんじゃないでしょうか)、例えば発注書を交付しなければいけないだとか、発注したにもかかわらず制作物を受け取り拒否してはいけないとか、制作物を納品後60日以内に支払いをしなければいけないとか、約束した支払いを減額しちゃいけないとか・・・。
公正取引委員会のホームページに、違反した企業の名前が出ちゃったりしてます。
http://www.jftc.go.jp/sitauke/index.html

デザイン事務所の経営者や、個人でやっておられる方、事務所でもディレクタークラスの方はしておかなければいけない事柄のように思いました。

また、最近は著作権譲渡を前提とした発注にお目にかかることが増えました。著作権は基本的に制作者側にある物ですが、何でも仕事になればいいやとあまり考えずに対応したり、公募などに参加されたりしてる方も多いと思います。

企業側の方が法律には詳しいので、後々のことを考えてこういう風に武装してくる訳ですが、かなり安い金額で著作権譲渡までなんて話を聞いたり公募を見かけたりします。どう考えても一生懸命考えて制作したらその制作料だけである程度はいくんじゃないかと思います。著作権料はまた別です。一見本人さえ良ければいいじゃんと思いがちですが、これが通用しちゃうということは、発注側も「こんなもんでいいんだ」という雰囲気ができてしまいます。こういうことは、業界全体できちっとしたスタンスをとるべきなんだろうなって思います。
「そんなえらそうなこと言うんなら他にいっぱいやりたいって言うヤツはいるんだからな」なんて言って欲しくないですよね。

是非皆さんに読んでいただきたいなと思いました。

クリエーターのための法律相談所 松島恵美、諏訪公一著 グラフィック社刊 ¥2,500

アングル [ディレクション]

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クライアントにお届けものをした帰りに新宿の紀伊国屋さんに寄ったので、お決まりの6階アート写真集コーナーに。
デザイン関係の本は結構高いのに、つい購買欲が出てしまいますよね。この日も厳選して2冊に絞ったそのうちの1冊は、ちょっと毛色の違った写真集でした。

[「地球一周空の旅」上空から眺める55の絶景]という写真集です。何がいいって表紙(上)の写真にびっくりしました。あの有名なフランスの「モン・サン・ミッシェル」なんですが、こんな角度で見たことは初めてです。

通常手前の海岸から海越しに撮るあの美しい小山の形の写真がほとんどですよね。朝だったり夕方だったり、干潟ができてたり海だったりとバリエーションはありますが、多分あの形の美しさ故にあまりアングルのバリエーションが無いのでしょう。

Mont_Saint-Michel_France.jpg
http://ja.wikipedia.org/wiki/モン・サン=ミシェル

でもこの写真を見ると修道院へつづく道の複雑さとか途中の様子とかがわかると同時に、あんなに見てる場所なのに「見たこと無い感」がすごく新鮮です。

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スリランカにある天空の王宮シギリヤの遺跡

この他にも世界中の街や自然のすごい場所がいわゆる「バードアイ」的アングルで撮られています。通常は飛行場の滑走路に近くなった時とか、ハングライダーに乗れる人はその時とかしか見れない「一般的ではないアングル」で、見たこと無い新鮮さがすごく楽しめます。

下の「サハラ砂漠」の写真、こんなアングルで砂漠見ません!荒涼感がただよいます。

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サハラ砂漠の砂丘

さて、私たちの現場の撮影ディレクションでは、カメラマンと一緒に「一番いいアングル」を探ります。もちろんその商品やモデルの着てる服などが一番きれいに特徴を持ってみれるアングルというのが存在します。昔から行われている行為ですから、だいたい「ココ」というのが一般的に認知されていて、結局そこに落ち着いちゃったりします。

でも、今やってる仕事の伝えたいことを表現するには実はもっと違ったアングルのほうがいいんじゃないかとか、今まで見たことが無い、やったことが無いんじゃないかというようなアングルで撮ってみるとかはとても有効なことがあります。

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ピザのアングルというのはだいたい斜俯瞰ですが、このように具材がかなり変わって4つの世界観を表現する「クアトロ」などを見せるには「俯瞰」も有効ですね。

アングルなんて写真のディレクションでは初歩の初歩なのに、僕のように長くやってきた人間でも上記のような本で「ドキッ」とするんですから、やっぱりとても大切なテクニックなんだなと思います。

そんなことをリマインドさせてくれたこの写真集は¥1,900(安い!)パイ インターナショナル刊

原弘 [アート]

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宣伝グラフ誌「FRONT」1-2号表紙(1942) FRONTは、ソ連等に対する一種のプロパガンダ(日本軍の脅威)として制作されているので英文が使われてます。

ちょっと仕事に追われており、すんごく久しぶりの更新です。

「原弘と東京国立近代美術館 デザインワークを通して見えてくるもの」
現在人気のジャクソンポロック展を開催している竹橋の東京国立近代美術館。ジャクソンポロックは横目で見ながら、2階でやってる僕らの大先輩、原弘(はらひろむ)さんの作品を見に行きました。

日本デザイン黎明期の巨匠としても、日本デザインセンターや日宣美の創設に尽力した方としても、またブックデザインの天皇としてもとても有名な方ですが、今回は設立から携わってきた会場となっている国立近代美術館の展示会ポスターを中心として、有名な戦時中の「FRONT」や、装丁作品、またポスターも指定校等を織り交ぜながら展示してあり、僕らにも、またデザイナーではない人も楽しめる内容だと思いました。

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グラフィックアートUSA展のポスターとその指定稿(1967)

まだまだ日本ではお目にかかれなかった海外の先進的なグラフィックデザインの影響を受けつつ、当時写植も無い手書きの時代に日本語のタイポグラフィーを非常に研究されており、とても参考になるとともにその情熱に触れる思いがしました。有名なタイポグラフィ展のポスターなどは、原さん故の素晴らしい作品だと思います。

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タイポグラフィ展ポスター(1959)

また、非常に実験的なこともやられていて、マン・レイなどにも通ずるアーティストとしての側面も良く見えました。
日本のグラフィックデザインにも歴史が積み重なってきて、歴史を感じる部分と、なんだ自分のやろうとしてることや、やってることとなんにも変わっていないじゃないかと思う部分、さらに自分ももっともっとトライしなきゃいけないぞとケツを叩かれる部分、自分に近い世界だけに色々な思いを持たせてくれた展示でした。

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「円空」装丁(1973)

ちなみに日曜日に行ったのですが、ポロックを見なかったので無料でした!
(2月5日(日)、3月4日(日)、4月1日(日)、5月6日(日)と、自分の誕生日が無料のようです。近代美術館のサイトでチェックしてみて下さい。)
http://www.momat.go.jp/Honkan/hara_hiromu/index.html

ポスター [閑話]

事務所に新たに人が入りそうなので、いろいろ整理してみることにしました。
第1弾として、いままでに作ったポスターを、断捨離。
だいたい印刷屋さんのポスターの最終刷り出しに行って刷り上がりを10枚くらいもらってきたり、送ってもらったり。スタッフに渡したりしても5枚以上残って、そのまま丸めておいたものが多く、今回はそのうち2枚を残して後はすべて捨てることに。

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上の写真のように雑に作業してみると、会社を作ってからだけでこれで全部ではないですし、それ以前もありますから本当にたくさんのポスターを手がけたんだなーと妙な感慨に耽ってしまいました。

グラフィックデザイナーになろうと決めてから、当時最初の目標は「B全ポスターと新聞15段の仕事をする」だったと思います。まだB倍版が出るか出ないかのころでしたから、B全版がとりあえず一番大きい。新聞で30段はまだ誰もやってなかった(と思います)から15段が一番大きい。単純です(笑)
その後、いろいろ恵まれて、本当にたくさんのポスター(そして新聞)の仕事をさせていただきました。

でもやはり「時代」もあったのかもしれません。最近のデザイナーでポスターばっかりの人ってあまりいないと思うし、最近は数が少ないものは印刷ではなく出力になっているようですが、駅貼りのポスターも本当に少なくなりましたよね。合わせて新聞や雑誌の仕事も減っている。
今企業のメッセージの主幹はウエブになってしまい、CMも新聞も、雑誌もウェブに導入するためのツールになってるものが多い。グラフィックの作業と言えば今はやはりパンフレットなどの小型グラフィックが一番多いアイテムなのではないでしょうか。

でもやはりデザイナーとしてポスターのような大きい画面に自分の作品を展開したいという思いがありますよね。昔は大きかったLPサイズのレコードジャケットを手がけるのもあこがれでした。表参道にいるとビルの上にアパレル関係の大きなビルボードがあったりして、あんなのもいいものです。

今の若手の方々のためにもまた大きいグラフィックの媒体が増えて、デザイナーの実力発揮という場が増えてくれることを願っています。PR要素ばかりの商売っけ丸出しではない、アート的にも素敵なポスターのある街や駅。場所さえちゃんと限定すればそれはとても良いものだと思います。

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※きちんと小さくたたんで、まとめてしばければ、新聞や雑誌のように資源ゴミに。特に情報漏洩や悪用の心配もありません。良い紙使ってるから(笑)良いリサイクルペーパーになるかな。

“デザイン思考”または“デザイニスト” [戦略]

1/14(土)[公開シンポジウム]企業経営をデザイン思考する
戦略経営デザイン人材育成講座〈STRAMD〉3に参加してきました。

今、日本の(にかかわらず)企業が世界に向かって飛躍していくためには「デザイン」という概念が欠かせないと言われています。そこで、広く一般より学びたい人を募って桑沢デザインにて講座を開いているのが「STRAMD」Strategic Managiment Design in Kuwazawa です。
その考え方を広く世間に認知してもらい、広めることを目的としたシンポジウムで、以前このブログでも紹介したPAOSを主宰されている中西元男先生(この講座の主導者です。またインテリアデザインで大変高名な内田繁氏(僕の若い頃には一世を風靡していましたからちょっと懐かしかったです)、やはり以前にこのブログで本を紹介した紺野登氏など実際にこの講座で教鞭をとられている先生方や、実際に学んだ、また学んでいる生徒(社会人)などを交えてこの講座に対する紹介や必要性などを語っていました。

私のお手伝いしているCoco-de-sica TVでもU=STREAM配信いたしましたので、そのうちコンテンツとして見れるようになるかもしれません。

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Coco-de-sicaTV:http://www.coco-de-sica.tv/edu/

大きな目的としてこの講座の必要性を説き、次の参加者を募るというのがありましたので、それに関する内容がほとんどでしたが、いくつか勉強になる話もありました。
私的な非常にラフなピックアップですみません。

ひとつは、中西先生の話されたSTRAMDの根幹である、いわゆる私たちのような職業的Designer(デザイナー)だけではなく、企業活動や生活に至るまでデザイン思想という考え方を持ち込めるDesignist(デザイニスト)という人間が必要であるということ。

特に私たちのような狭義のデザインを職種としている人間にとって、この広義の「デザイン」または「デザイン思考」というのがわかりづらいんです。
例えば例に挙がったRoger Martinというビジネスマネジメント学者は、「論理的思考と創造的直観を効果的に融合・活用することをデザイン思考と位置づけ・・」
http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/workshop/roundtable_aug11
と言ってます。新しい製品を生み出す過程に於いて、また企業そのものの組織の変換、もちろん製品のイメージ戦略に於いてもこのデザイン思考が必要になってくる。

どうでしょう?「このデザイン素敵だね!」って言いづらいデザイン(笑)ちょっと難しい。
アメリカではたとえば重要な案件の会議に於いて、科学の専門家、ビジネスマネジメントの専門家にデザインの専門家が加わって意思決定をしていくという話もありました。

またもうひとつ、Roger Martinの言葉を、パネリストである国際教育の専門家、安藤益代氏が引用していて、「極端な発想は創造的挑戦と考える。発想者に感情移入する。両方の言語を理解する。100%理解してもらえると思わない。未来の一部を過去にする 50:50がビジネスのデザイン思考」
という内容は非常に印象的でした。すべての日本の企業の人たち、特に人やクリエーターからのプレゼンテーションを受ける人々に意識して欲しい言葉です。

※ちゃんとメモを取りながら見れなかったのでいい加減な記述があるかもしれません。お許しください。

STRAMD
http://stramd.kds.ac.jp/

歌川国芳展 [アート]

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あけましておめでとうございます。
今年初めてのブログは、この3連休の中日に行ってきた歌川国芳展です。
昨年末より始まっていたし、歌川国芳自体は浮世絵としては北斎や歌麿、広重などに比べてちょいマイナーなこともあり、まあ空いてるだろうと思って行ったのが大間違い!入場制限を行ってるほどでした。

もともとちょっと苦手な六本木ヒルズの森アーツ、さらに混みコミで最初から少しうんざり。浮世絵ですからあまり大きくない画額が目線の位置に並べられてることもあり、遠くから見れないことも手伝って、じっくり絵を順番に見る列がまったく動かない!ちょっと参りました。

しかしかなり作品数も多く、色々な作品を網羅していることもあって、「歌川国芳」を俯瞰するには良い企画だと思います。(森美術館は、業界人が好きそうな企画が多いです)

私はまず彼の作品群、特に物語に出てくる武士や水滸伝の名将たちの絵(最初の絵)を見て、小さかったころの少年マンガ誌を思い出しました。当時の長岡秀星氏の描いたSFイラストなんかにワクワクしたあの感じ。きっと江戸時代の人もお話だけでは広がらないイメージの世界を、彼の絵によって心躍るものにしていったんじゃないかなあと思いました。

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浮世絵画家全体に言えることではありますが、特に国芳は、いわゆる今でいう職業イラストレーター、挿絵画家であり、決してアーティストではない。奇才と言われてますが、他の人とは違う茶目っ気やエンタメごころあふれ、なおかつそれを表現する絵心があったような気がします。今彼がいたら、どんな作品を世に出すかとても楽しみです。
また、多分版元からオーダーされたもの以上に自分でもいろいろ描いたり、トライしており、心底絵が好きだった様子が分かりました。多作です。
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サンプルは今回の目玉のクジラやネコの絵以外を上げましたが、2番目の滝に打たれている文覚上人の絵のほとばしる水の表現なんか劇画チックだし、いわゆるだまし絵的なもののアイデアも秀逸。鳥羽僧正を彷彿とする鳥獣戯画もあったり、役者絵を禁じられた時代に落書き風にしておどけたりとバラエティーあふれてます。特に下の落書きはその後のマンガに通ずるものがあるような気が。

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いずれにしてもアートディレクターやデザイナーはかなり楽しめ、また勉強になるものがあると思います。
絵が好きで、人々をアッと言わせたくて、日々頭を働かせ、筆をとる。そんな僕らにも通ずる国芳に親近感を覚え、また僕らもがんばらなきゃって尻を叩かれます。

興味のある方は是非足を運んでみてください。ただしできれば週末じゃなく平日が良いかも。

※サンプル画像は主催者による図録より

ユナイテッドアローズの経営理念と成功 [戦略]

今回12/17のSTRAMD(土曜特別講義)では、今やアパレルの勝ち組、みんな大好きユナイテッドアローズの上級執行役員である東浩之さんのお話でした。

デザインとは直接あまり関連のないお話ですし、僕も専門外なのでまとめるのが難しいです。すみません。

東さんは大手アパレルから、ユナイテッドアローズ創業社長である重松さんの経営理念に大変共感して、この会社に移られたそうです。
もともと人事やマネージメントの方なので、どんな洋服が売れるとか、ユナイテッドアローズの洋服デザインのこだわりについてなどのお話は無く、社長の理念をもとに東さんを中心に作られたユナイテッドアローズの経営理念を、いかにして全社員に浸透させられるかという内容が主でした。

経営理念はある意味永遠ですが、そこはやはり時代と共に生きる服飾業界。変えたり戻したり奮闘されているようです。(東さんのような非常に優秀な人が反省したりしながら一生懸命目的へ向かってあがいてる姿にはとても共感しました) 
でも基本は社長さんがずっと言われている「日本人のためのスタンダードを」(の英語)だそうで、当然スタンダードと言えるシェアまでがんばるという意味もあるようです。

話は無かったけど、結局その経営理念の浸透こそが、ブランドのブランドらしさを作っていくのかなあと思いました。

しかしその浸透方法は、「とにかく全店回って販売員たちと話をする」だそうで、そういうところは非常にクラシックな方法をとっておられます。もちろんそのことにより色々な話や情報、現場の生の状況などが肌で感じられるという大きなメリットもあるので、役員になってもやめられない日課のようです。

さて、お話の中で情けないことに私が知らなかったので、その道の人には常識(かな?)の”SWOT分析”を紹介させてください。目標を達成するために必要な分析のポイントのことで、詳しくはWikiなどいろいろ出てますので参考に。単純でわかりやすいそれでいて奥が深い理論に思えました。
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この内部の「強み」「弱み」に関しては、理念ブックを作る際に内部外部を問わず様々な人にユナイテッドアローズの強み弱みをビデオ片手に聞いたそうです。会社のお掃除のおばちゃんにも聞いて、その答えにはとても大切なものがあったというお話をされていました。

なんだかかっこうよく見えるアパレル会社の内側で、非常に泥臭い努力をされてる方がいて、それが成功への要因をひとつずつ作っているんだなあと、当然のことなのかもしれませんが感動しました。

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