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キャラクター [戦略]

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日本は世界一のキャラクター大国です。キャラ大好き。

広告やプロモーションでは、形の無い例えば「サービス」や「キャンペーン」のようなものをキャラクターにするととても有効です。難しいことをそのまま言っても中々届かない。そこで特徴をいくつかモチーフに入れ込んで、キャラにします。すると難しいものに対する距離感がぐっと縮まる。新しいもので言うと「地デジカ」かな。ただのおやじギャグだけじゃない、角がアンテナになってますね。
ちょっと横道にそれますが,これって仏教において,釈迦が「偶像」を禁止していたのに、入滅後しばらくして、分かりづらく難しい教典をなんとか人々に受け入れさせるために、その内容とその効果(功徳)を分かりやすく釈迦の像に刷り込んで仏像を造ったのと同じ手法です。あれもれっきとした一種のキャラです。

日本の人がキャラ好きなのは、日本に於ける漫画の発展とも関係があると思います。ほとんどの人が漫画的なものに非常に親和性があり,「分かりやすさ」を備えていると認識しています。
地域おこしにも一役かってますね。「彦ニャン」、「せんとくん」。せんとくんの可否の論争はまだ記憶に新しいですね。

ただ、キャラを作ればいいと言うわけではなく、人々に受けるキャラクターを創造しなくてはいけません。クオリティーは大事です。時代性、モチーフ、色彩なども外せません。ユルキャラやブスかわいいなどは時代性の影響でしょう。

もうひとつ、キャラクターの良いところは“うまく行けば”それ自信がお金を稼いでくれる可能性のあることです。そのものの人形やフィギュアだけでなく、別の商品などにくっつけて、その商品の売り上げに貢献します。日本人の大好きな「経済効果」ってやつです。そんな二次的な収入もあったりするので,著作権の所在は最初にはっきりさせておかなくてはいけません。

サンプルは,環境省の外郭団体の仕事で作った「エコカー」のキャラです。今でも2代目が「アスカーくん」として活躍中です。イベントなどがあるので,シンボルとして,プレゼントとしてなど使い回しがいいのですね。

明日からお盆でちょっとお休みします。17日からまた始めます。



 [カラー]

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今日はさわやかに、暑い盛夏にふさわしい色「青」です。

青ほど、全世界の人々に好かれている色は無いでしょう。人間にとっての根源である海、そして空の色だからでしょうか。特にイタリア人、フランス人,アメリカ人,そして日本人などはブルーの好きな国民という印象があります。
青のイメージは「さわやか」「清潔」「冷静」「信頼」「理知的」。企業のイメージとしてはぴったりです。以前にも述べましたがコーポレートカラーに「青」を使用してる企業は,他の色を使用しているところよりも明らかに多いと思います。

さらに,スポーツフィールドでも,非常によく使われる色ですね。「颯爽」感があります。黄色や赤などのビビッドな色と合わせると、冷静な青にアクティブ感が加わってよりスポーティーです。白と合わせれば完全なマリーンイメージです。逆にネイビーや紺色になると,制服的な統制のとれた秩序を感じます。

イメージだけでなく実際の色にも幅があります。色相環で言えば青紫からペパーミントグリーンまで。呼び名で言えば、藍(インディゴ)、紺、ネイビー、群青、コバルト、蒼、碧、水色、縹、セルリアン、浅葱、瑠璃、シアン、ターコイズ、サックスなどなど。

青を使う上で注意しなくてはいけなのが、食品関連です。完全なる食欲減退色。
お皿にブルーの文様が多いのは、反対色である「赤」「黄」系列の色を立たせる役目があるからですが,青,そして単体使用の「緑」は、食品関係の使用色としては,厳重注意色です。ブルーは食品には非常に少ない色でもあり、顔色の悪さや憂鬱を表す表現でもありますものね。

Photo:YOSHITOKI FUKUNAGA ※転載は不可です。

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心に残った言葉(1) [言葉]

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今までこの世界に携わって来た中で、役に立つ、心に残った言葉を紹介できればと思いました。

「あなたの都合は,受け手側にはまったく理解されない」というもの。

以前一緒にやらせていただいた有名なコピーライター氏より言われた言葉です。「他の仕事があるから忙しく、この仕事だけに関わっていられない」「今日は,人と約束があって,ここいらへんで仕事を終わりたい」「家庭内の予定があってこの日は出れない」などなど。本来ならいろいろな人が,いい作品を作るためだけの目的で切磋琢磨し,ぎりぎりの答えを出す中で、いくらどんな都合があっても、手を抜くことによって出来た“ナマクラ”な作品には、そういう評価しかされないと言うことです。
それを見る人々は、いちいち作り手の都合なんて,斟酌してくれませんよね。いいものはいい,悪いものは悪いの評価です。すべて自分に帰ってきます。
だいたい、クリエイターなんて物づくりのパーセンテージが異様に高く、いわばアンバランスな生活・人生です。いろいろなものを捨て去ってないと出来ない商売ですよね。さらに言えば本当に才能のある人は,捨て去ってることも意識すること無く、いつも作る喜びの中に生きてると思います。

特に若いうちにその道に邁進できるか,他の人が享受するような楽しみに生きるかで,後々の差は埋め合わせの出来ない決定的なものになるんじゃないかな。
いつもある程度でキリをつけようかなと思う局面に思い出してがんばれる言葉です。

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黄金比と白銀比 [イメージ]

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太古の昔より美しさの比率として建築、絵画,彫刻などに用いられて来た「黄金比」1:(1+√5)/2 (約5:8)。人の身長とへその高さの比率だったりオウムガイの螺旋係数だったり、ミツバチのオス雌の比率だったりと自然界に元々ある比率です。
私たちの一番身近にあるのは「名刺」です。通常の名刺サイズ55×90mmは黄金比率に近い比率です。
それに対して私たちがよく使う「紙」の寸法はA、B列とも「白銀比」と呼ばれる1:√2でできています。これの特徴は長辺を半分にする形で2つにすると、同じ比率の紙が2つできるという非常に便利な特徴を持っています。
物の本によると黄金比は西洋の古い建築に、白銀比は日本の古い建築によく見られる比率と言うことで,人間の「頭身」と比較して解析する人もいます。西洋人の方が頭身の数が多く、つまりすらっとしているのに対し,日本人の頭身が低いので,この比率が日本人的にはしっくり来ると言うものです。
その説でいけば,現代の人間の頭身はさらに増えたので(8〜9頭身)、黄金比よりもさらにスリムな1:√3(1:1.7)を新しい黄金比と言う人もいるようです。確かに少し細身の名刺を作る人もいて、ちょっとモダンな印象があります。最近のワイドテレビの画面は16:9なので、この新しい黄金比率に近い数値を持っています。

さて,前置きが長くなりました。たとえばサンプル画像にあるように下に白い帯を作って文字やロゴなどを入れるわりとオーソドックスなレイアウトがありますが,紙面の白銀比に対して、写真を黄金比にするのを基本にしています。もちろん雑誌見開きなどは、ベースが白銀比にはならないパターンもあるので,みんなこれで行けるわけでは無いのですが、いい加減に縦横比を決めるのではなく「黄金比(や白銀比)の額面と言うのは美しい」というのを知った上で作業するのがいいと思います。何でもそうですが,知った上で崩すのは「確信犯」ですものね。

タグ:黄金比
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和のテイスト(1) [グラフィックデザイン]

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もともと日本は鎖国などもあり,西洋の3D的な要素があまり入らずに、平面的な表現を長いこと続けて来たこともあって、非常に優れた歴史的グラフィックデザイン大国ではないかと思っています。
デザインを施す場が、着るものや壁、調度品などが多かったせいで,単純でありながら、繊細なものから大胆なものまで、非常に少ない色数で,非常に幅の広い表現をしてきました。

その中で,今見てもたいへん優れたデザイン記号のひとつとして「家紋」があります。さらに「紋」まで入れるとその数は無限ともいえるでしょう。優れた図形意匠を1色で表現、遠くから武士の胸と背中の紋を見て,どこの家の者かを判断できる視認性など、マークとしての優れた要素をすべて持っています。だいたい、すべての家のことを文字表記するのではなく、マークにするなんて,「デザイン魂」全開だと思いません?

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以前うちの会社に在籍していた優秀な女性デザイナー/アートディレクターが,今、兵庫県から全国へ向けて素敵なグラフィック玩具を発信しています。
そのうちのひとつがこの「紋かるた」です。紋に見る優れた日本のグラフィッックデザインを堪能しながら,さらに遊べるという一石二鳥の優れもの。
ぜひサイトでチェックしてみてください。
http://www.monkaruta.jp/

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特殊印刷のススメ(1) [印刷方法]

「読む」「見る」ということに関しては、以前に書いたようにデジタル化が進んでいて、この部分の「紙へ印刷」というのは徐々に減っていくだろうと思われます。
このような状況で、例えば本や、カタログ、冊子などが生き残れるひとつの方法として、[「持っていたい」、「置いておきたい」、「残しておきたい」と人々が思うようなものを作る]というのがあると思います。
そのためのひとつのテクニックとして、「特殊印刷」があります。

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今回はとても代表的なものを2つ。最初は「バーコ」です。
バーコ社の開発によるこの手法は、過熱すると膨張する性格のインクを使うことで、印刷したところが盛り上がり、でこぼこな手触りを与えます。また、その部分が水飴が垂れた時のように光るので、見た目の印象も高めます。(画像でイラストと文字の部分が光ってるのが分かりますでしょうか?)

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次はUV印刷です。一言にUVといってもいろいろあるます。画像による例は、表面がツルツルで通常のインクをはじいてしまう特殊な紙に印刷したかったので、紫外線によって瞬時に硬化するUVインクを使うことで、可能にしました。さらに、文字部にはオペークインクの白を使っています。
UVの技術とインフラが以前よりも整ってきてるので、前出のバーコは、このUVによる厚盛り印刷に移行しているようです。同じような効果が得られ、さらにはインクの中にラメなども入れることが出来ます。

制作サイドは作品に対する愛着が倍増し、手にする人々には、印象的で、すぐには捨てにくい気持ちを与えるこれらの特殊印刷。費用はかかりますが、それだけの効果があり、チャンスを作ってぜひトライしてもらいたいテクニックです。

グラフや、図(ダイアグラム)に凝る。 [グラフィックデザイン]

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わりと難しい内容の説明が必要なカタログや編集ものなどに、よく図や、グラフなどを入れなければいけない局面があります。
まあファッションの雑誌広告や大好きな音楽関係の仕事とかじゃないから、気持ちが入らずついつい面倒くさくなっちゃうのが人情ですね。でもここは、前向きにグラフや図(ダイアグラム)に凝ってみましょう。デザイン的に優れたグラフや図は、全体の印象をぐっとモダンに、センス良く優れたグラフィックデザインとしてまとめられます。
元々グラフってグラフィックと家族のような言葉ですから、ここは腕の見せ所とがんばってみてください。必ず充実した紙面になるはずです。
確かにいいグラフや図を描くには、その内容をしっかり理解することが必要になります。でもそこは全体のクリエイティブにとっても必要なことなので、(時間があれば)じっくりと取り組んでみてください。時間がない時は、例えばちょっと立体に見えるようにするだけでも見る人に興味を持ってもらえます。
デザイン書の置いてある本屋さん(青山ブックセンターなど)には、「DIAGRAM」というタイトルの本が、いくつかあるので、ぜひ参考にしてみてください。

コピーライターな人々 [閑話]

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アートディレクター、デザイナーはコピーライターと仕事をすることが多いです。「コピーライター」=コピーを書く人ですよね。糸井重里さんなんか有名です。
同じ業界内、同じ目的に向かっていくスタッフ(ある事務所や代理店では同じ会社の同僚かもしれません)なのに、AD、デザイナーとはずいぶんと違う種類の人間なのが面白い。
一言で言うと「人間臭い」です。

私は、飲みにいく相手がコピーライターのことが多いのですが、それは、彼らが私とは違うタイプの人間故に、いつも新鮮で興味深く、楽しいからです。
AD、デザイナーって、もうちょっとモノよりで「ええかっこしい」で、自分の生活も持ち物もこだわったモノにしていこうとしている人が多いように思います。
対して、物書きってよく「先生」なんて言われるけど、私のイメージは安酒場で一晩中飲んでて、昼頃から仕事するようなそんなタイプ。

クリエイティブディレクターにコピーライター系の人が多いのも、そんな人間臭さ故に、受け手側の人々の気持ちがわかるのでしょう。もしくは、文章なんて誰でもかけるもの故に、ものすごく考え、絞り出している作業を常にしてるからかもしれません。

ちなみに(私の周りだけかもしれませんが)コピーライターの喫煙率はものすごく高いです。9割以上。おまけに酒も女も(男性の場合)大好きです。

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